「投資信託は低リスク」という“常識”の落とし穴…気鋭の経済ジャーナリストがあえて投信より「株式投資」を推す理由

「投資信託は低リスク」という“常識”の落とし穴…気鋭の経済ジャーナリストがあえて投信より「株式投資」を推す理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

投資においてはよく「投資信託」の「長期・分散・積立投資」が推奨されます。個別の株式に投資するよりも低リスクで大きなリターンが期待できるとされています。しかし、東洋経済新報社で編集委員を務める経済ジャーナリストの田宮寛之氏は、投資信託ではなく、あえて個別の株式に投資することを推奨します。なぜなのか。田宮氏が著書『ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析』(自由国民社)において解説します。

株は一株単位で買うことができる

投信と株式を比較して、私が株式をおすすめするのには理由があります。

 

実は「一人で複数の銘柄の株式を買うのが金銭的に難しい」というのは過去の話なのです。

 

現在では難しくありません。一人で複数の企業の株式を保有する、すなわち一人で投信を作ることが簡単にできるのです。

 

株価とは、各企業が発行している一株当たりの値段のことです。

 

通常、会社の株価というと一株の値段が表示されます。しかし、実際に株式を購入する場合、一株分の資金では購入することはできません。

 

2018年10月1日以降、全国の証券取引所では株式の売買単位が100株に統一されましたので、株式の購入は100株単位で行ないます。

 

一株1,000円の株ならば10万円必要です(手数料など除く)。

 

「リスクヘッジのために複数銘柄に投資したい」と考えると、数十万円もの資金が必要になります。値段の高い株も買えば簡単に100万円を超えてしまいます。

 

ところが、マネックス証券、SBI証券、CONNECT(大和証券グループ)のように一株から株を販売してくれる証券会社があるのです。

 

こうした証券会社を利用すれば、数万円で複数の銘柄に投資できます。

投信は手数料が高い

一人で投信を作った場合、手数料がほとんどかからないというメリットもあります。投信の場合、購入する際に投資家は「購入時手数料」を支払います。

 

加えて、運用期間中は「運用管理費用(信託報酬)」が差し引かれます。さらに、「監査報酬」「売買委託手数料」などの費用も差し引かれます。

 

また、換金時に「信託財産留保額」がかかる投信もあります。投信の場合、多少の値上がりは手数料に消えてしまうのです。

 

しかし、ネット証券で株を買う場合、手数料はほとんどかかりません。

 

しかも、投信には「償還の期限」、もっと分かりやすく言うと満期があります。

 

儲かっていなくても、期限がくればそこで終了です。

 

投資金額を下回るお金が償還金という形で戻ってきます。

 

損して終わりということです。

 

利益が出るまで運用を続けたいと思っても、それはできません。

 

また、運用が順調で投信資産が増加しているから、もっと運用を続けたいと思ってもそこで終了です。儲けの追求を断念しなくてはならないのです。

 

また、投信保有者の多くが解約して、投信の規模(純資産総額)が一定の水準を下回ると、当初設定していた償還期日よりも前に償還になることがあります。これを「繰上償還」といいます。

 

自分は解約する意思がなくても、他の多くの投資家が解約すればすべてご破算です。投信による資産運用は自由が利きません。

 

株ならば、その企業が存在する限り株も存在します。

 

株価が下がっても上昇を待つことができます。配当金を受け取りながら、しばらく様子を見ることもできます。株式投資では自分の意思で資産運用が可能です。

 

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ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析

ビジネスエリートが実践している 教養としての企業分析

田宮 寛之

自由国民社

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