「クレーム対応」の極意…興奮状態のお客様をクールダウンさせる「謝罪の3段活用」とは【専門家が解説】

「クレーム対応」の極意…興奮状態のお客様をクールダウンさせる「謝罪の3段活用」とは【専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今、クレームの域を通り越した「カスハラ」が社会問題化しています。クレームには自社の商品・サービスの改善のヒントが眠っていることもあります。しかし、過度なクレーム・カスハラに対応する職員の精神的負担は計り知れません。本記事では、CSマナー・クレーム対応の第一人者である古谷治子氏が、著書『カスハラ・クレーム対応 最強ノート』(ビジネス教育出版社)から、カスハラ・クレーム対応の方法について解説します。

聞くことに専念してお客様の気持ちの“助け”となる

◆お客様は2種類の問題を抱えていることを意識する

クレーム対応の第1ステップは、お客様の話を引き出す段階です。

 

「頭が真っ白になって言葉が出ない」という方がいますが、ここではうまく話してお客様をなだめようとしなくても構いません。

 

話すのはお客様の方で、対応者は聞き役に回ります。

 

そもそも、クレームを言うお客様が抱えているのは、「事実に関する問題」だけではありません。不愉快な思いをさせられたという「感情的な問題」も抱えています。

 

第1ステップはこの感情問題をケアするときで、対応者が前向きに聞く姿勢を示すことで、お客様の不満は軽減されます。

 

ところが、気持ちを軽視して解決を急ぐと、お客様の不満は消化不良を起こします。「こっちは困っているっていうのに感じが悪い」とマイナスイメージが強まるのです。

 

また、話の途中で、「でも、それは」「今までそのようなことはなかった」などと反論されると、話を否定されたように受け取ってしまい、感情的になって話が長引いていきます。

 

これしかないという解決策を示そうとしても、お客様がなかなか聞いてくれないのは、解決策が適切か否かではなく、それ以前の感情問題を軽視されたからです。

 

◆全力で聞けば意外と早く進む

「すべて吐き出してもらうまで聞くのか」と、うんざりするかもしれませんが、真摯に受け止めてくれる人に対して怒り続けるのは難しいもの。一般のお客様であれば、話すことがなくなると怒りもトーンダウンします。

 

[図表1]クレームをいうお客様の抱えている2つの問題

 

話を一生懸命聞くことで早く進むと信じて、耳を傾けましょう。前ページで紹介したあいづちや表情でも聞く姿勢を示しながら傾聴すれば、意外と早く怒りが沈静化していくはずです。

 

こうしてひとまずお客様と良好な信頼関係が築けたら、事実問題を明確にしていく第2ステップへと進みます。

 

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カスハラ・クレーム対応 最強ノート

カスハラ・クレーム対応 最強ノート

古谷 治子

ビジネス教育出版社

お客様のクレームは、自社を発展させる薬でもあれば、職員を退職へと追い込む毒でもあります。そのため正しい取扱方を学びましょう。

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