老後資金は「夫婦で月24万円」、介護費用は「総額600万円」あれば足りる…実証と統計データが示す「老後不安」が杞憂であるワケ【経済コラムニストが解説】

老後資金は「夫婦で月24万円」、介護費用は「総額600万円」あれば足りる…実証と統計データが示す「老後不安」が杞憂であるワケ【経済コラムニストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後不安」という言葉が喧伝され「お金を増やすこと」がクローズアップされています。しかし他方で、日本人は「死ぬ時に一番お金を持っている」ともいわれます。シニア層のライフプランニング、資産運用等に詳しい経済コラムニストの大江英樹氏が、著書『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』(光文社新書)から、老後を豊かに生きるための「お金の使い方」について、詳しく解説します。

老後を過剰に心配しすぎない

しかしながら、どこまでいっても得体の知れない「老後不安」という物語に脅かされ、ひたすらお金を増やそうと考え、引退したあとも節約に励み、お金を使わずにいた結果、死ぬ時に一番お金をたくさん持っていた、というのではあまりにも悲しすぎます。老後不安という物語に、過剰に怯える必要はないと思います。

 

少なくとも現時点で、将来の収支を予測することは可能です。特に、働いて得る収入はブレるでしょうが、年金収入というのは基本的には物価連動ですし、最も安定しているものですから、過剰に心配することはないのです。

 

また、介護についても前述の通り、1人600万円ぐらいを用意しておくことを心構えとしていれば、それほどひどいことにはならないでしょう。

 

もちろん、将来は予測できない、不確実なものであるのはその通りですが、老後を心配し、お金を増やしたいという気持ちばかりを過剰に持ってしまうことで、勧められるままに変な金融商品を買わされたり、不要な保険にたくさん入ってしまう可能性が出てきます。私はそのことの方が、老後不安よりもよほど深刻で問題は大きいと思います。

 

 

大江 英樹

株式会社オフィス・リベルタス

取締役

 

90歳までに使い切る お金の賢い減らし方

90歳までに使い切る お金の賢い減らし方

大江 英樹

光文社

◎死ぬ時に一番、お金を持っている日本人 ◎〝老後不安〟という「物語」、〝貯める・増やす〟という  「呪縛」 ◎「コスパ最高!」が日本経済を低迷させている ◎お金よりも優先すべきこと――時間、信用、健康、幸福感……

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