(※画像はイメージです/PIXTA)

よく、「税金対策」「節税」としてものの一つに、「高級中古車を購入して代金を経費にする」という方法があります。しかし、すべての人・会社におすすめできるものではありませんし、タイミングによってはまったく意味がなくなってしまいます。特にタイミングについては、4月~5月が有力な時期の一つです。本記事では、その理由も含め、中古車購入が「節税」になるしくみについて解説します。

年度内に全額経費化したいなら「初月」に購入を

ただし、減価償却費は「月割り」で行わなければなりません。

 

たとえば、3月決算の会社で、決算期ぎりぎりの3月中に600万円の高級中古車を購入して使用したとしても、その年度の経費として計上できるのは1ヵ月分の50万円だけです。

 

これでは「3月決算対策」として意味をなしません。

 

1年で全額(12ヵ月分)を経費化したいのであれば、事業年度の初月に購入し、使用開始する必要があります。

 

日本の会社で最も多いのが「3月決算」で、全体の20%近くにのぼるといわれています。したがって、4月はもっともよいタイミングの一つということができます。

 

それに加え、4月~5月はもっとも中古車の相場が割安になる時期だといわれています。3月に新生活を控えての新規購入や買い替えの需要が高まっていたのが、4月には落ち着くからです。

 

以上、「3月決算が多い」「4月~5月の相場が安い」の2つの面から、4月~5月は、1年のうちでもっとも高級中古車購入による節税に向いているということができます。

警戒すべき2つの落とし穴も…

しかし、他方で、高級中古車購入による節税には落とし穴があります。

 

第一に、その車が「事業に必要なもの」であることを合理的に説明できなければ、費用計上が否認されてしまいます。

 

たとえば、「3年10ヵ月落ちのベンツ」の場合、単に「事業に使用するから」というだけでは、「ベンツである必要はありませんよね」と否認されてしまう可能性があります。

 

そこで、よくあるのが「社長がベンツに乗っていることで、取引先や営業先からの信用を得やすい」といった説明です。ただし、この説明だと、2台目以降については費用計上が認められない可能性があります。

 

なお、ただ税金を抑えたいためだけに高級中古車を購入するのは単なる無駄遣いです。税金は減らせても、同時に貴重なキャッシュが流出してしまうからです。

 

第二に、年度の初月の段階では、その年度の利益がどの程度になるのか、また、資金繰りがどうなるのか、見通しが不明確なことが多いと想定されます。したがって、実際には、高級車の購入を「節税」「決算対策」として利用できるケースは限られているといわざるを得ません。

 

4月~5月は上述の通り「中古車で節税」を実行するには最も良いタイミングではありますが、本当に自社のためになるのか、慎重に吟味する必要があるといえます。

 

 

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