保険料上限引き上げが意味するものは…
上述の通り、後期高齢者医療保険制度の保険料には上限があり、2022年現在は年66万円に設定されています。これは、平均保険料額が77,663円であることからすると、相当高額な水準といえます。
現在検討されているのは、この上限額を14万円程度引き上げ、80万円前後に設定することです(【図表3】)。
これは、少子高齢化が進み、かつ、現役世代の所得が伸びないなか、すでに後期高齢者医療費の約4割にあたる「支援金」を負担している現役世代に対し、これ以上の負担を負わせるのは困難であるという考慮によるものとみられます。
少子高齢化が進むなかで人生100年時代を迎えるにあたり、公的医療保険制度や年金制度について世代間の負担の公平をいかに図るか、国民の健康寿命をいかに長くするか、という問題は、今後、あらゆる局面で顕在化することが予想されます。
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