これまでの定義に当てはまらない「シン富裕層」
富裕層の定義はさまざまありますが、よくメディアで取り上げられるのが、野村総合研究所の定義です。
世帯の純金融資産保有額(預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた額)が、5億円以上の場合を「超富裕層」と呼び、2019年時点での日本の超富裕層は、全世帯のわずか0.16%しかいません。
そして1億円以上5億円未満が「富裕層」で2.3%、5,000万円以上1億円未満が「準富裕層」で6.3%、3,000万円以上5,000万円未満が「アッパーマス層」で13.2%、3,000万円未満が「マス層」で78%、というデータでした。
ただしこの定義は、金額に換算しやすい、わかりやすい資産のみを対象としています。私が見てきた「シン富裕層」たちの資産を捉える指標としては、不十分だと感じます。
なぜならここでは、不動産や中小企業の経営者の持つ未公開の自社株など、換金しにくい資産が、資産として含まれていないからです。さらに今人気の暗号資産やFXなどの時価総額、できれば動画配信の登録者数やTwitterのフォロワー数も今の時代なら資産として考慮に入れるべきでしょう。
それらを含んだ資産額で考えると、「シン富裕層」のボリュームゾーンは、10億円から20億円くらいを持っている人たちだと感じています。
上場企業のオーナー社長であれば、100億円以上の資産を持つ人も普通にいます。持ち株を売却しにくいことと家族への資産継承を考慮して、「ファミリーオフィス」を設立し、資産管理をしている人もいます。
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