上海ディズニーランド閉鎖で新型コロナ規制強化に懸念。市場は米中デカップリング際立ち、中国・香港市場は連日安値を更新

上海ディズニーランド閉鎖で新型コロナ規制強化に懸念。市場は米中デカップリング際立ち、中国・香港市場は連日安値を更新
(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

中国不動産開発大手の龍湖集団・会長が不可解な辞任

 

31日の香港市場は不動産株で構成するハンセン本土不動産指数は6.50%安と市場を大きくアンダーパフォームした。

 

上海に拠点を置く中国不動産開発大手の龍湖集団(0960)が一時44.7%安と、上場後で最大の下落率を記録したことが相場の重石となった。

 

香港取引所の届け出によると、創業者で同社会長を務める呉亜軍氏が28日付けで辞任すると発表した。年齢や健康上の問題を理由に挙げているが、不動産危機の最中に突然の辞任は不可解な印象を与えるものとなった。

 

同社は31日前引け後、株価急落を受けて業務運営、財務状況ともに健全である旨を発表したが、前日比23.8%安で引けた。一連の報道は同セクターに売りが波及し、中国不動産開発大手の碧桂園(2007)は9.8%安、碧桂園服務(6098)は7.0%安、恒基兆業地 (0012)は4.9%安だった。

中国市場はエネルギー関連株が軒並み下落

中国の経済の先行き不透明からエネルギー関連株も急落。中国民間ガス供給業者の新奧能源(2688)は10.1%安、石油販売のペトロチャイナ(0857)は8.3%安、石炭最大手の中国神華能源(1088)は5.7%安、中国海洋石油(0883)は4.2%安となった。

 

一方、四半期決算を受けて自動車・電池メーカーの比亜迪(1211)が前日比6.0%の大幅高。関連銘柄が買われ、スマホ部品の比亜迪電子(0285)は13.4%高、スマホ部品メーカーの瑞声科技(2018)は12.3%高、クラウドサービスの金蝶国際集団(0268)は8.6%高と目立った。

 

中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.77%安の2,893.48、CSI300は同0.92%安の3,508.70と共に3日続落した。上海総合指数は終値ベースで、上海市をはじめ大都市でロックダウンの措置が取られていた4月26日以来の安値を更新。

 

米欧株価指数は、米利上げ観測の後退により反発に転じ、市場のリスク選好度にも変化がみられるが、中国・香港市場はデカップリングを続けており、株価に反発の兆しは見えていない。

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

 

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