「明子、実家を頼む」……父の思いを受け止め、香川県高松市にある実家を相続することした、タレントの松本明子氏。ただ、築年数の経過とともに、実家の維持費はかさむ一方。さらには距離の壁も立ちはだかってきます。心の底では手放したいという思いを抱きつつも、「父親の遺言」を守るために松本氏が続けた奮闘をみていきましょう。

市役所からの電話…実家の維持費はかさむ一方

父が亡くなってしばらくした頃、東京の私のところへ高松市役所から電話があり、「庭の草木の手入れをしてください」と注意を受けました。

 

父が元気なうちは、「草木は放っておくとどんどん伸びて害虫や動物を呼ぶので手入れが欠かせない」と言って母と一緒に実家へ帰るたびに草を刈ったり、枝を切ったりしていました。

 

父が亡くなったあとは、母が1人で高松へ帰ることもめったになかったので、私ができる範囲で草木の手入れをしていたのですが、庭木の剪定などは父のようなわけにはいきません。それでご近所から苦情が出てしまったようなのです。

 

受話器を手に、どうしよう、と思っていたところ、市の担当者の方が「地域のシルバー人材センターに庭の草木の手入れを頼むこともできますよ」と教えてくれました。

 

ところが、「料金はいかほどですか」とたずねると、「1回5万円です」との返事。思わず、「ええっ!」と素っ頓狂な声を出してしまいました。1回5万円ということは、年に2回頼んだら10万円です。うーん、実家の維持費がさらにかさむ。痛い……。

 

それでも実家を維持するには必要なコストだと思い、お願いすることにしました。これで年間の維持費は約37万円に増えました。

 

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※本連載は、松本明子氏の著書『実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』(祥伝社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方

実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方

松本 明子

祥伝社

数十年前に建てたマイホーム。現在は子が独立し、故郷に親御さんだけが住み続けているという方がほとんどなのではないでしょうか。ゆくゆくは実家に住む人が誰もいなくなってしまうのは予想できるけれど、日々の忙しい生活でと…

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