新型コロナの影響により世界中の企業が急速に進めているオンライン化。今回はその代名詞ともいえる「オンライン会議」の特徴と利点、日本企業への影響について解説します。

オンライン会議のメリット

会議で感じるストレスが小さくなる

会議では人間同士の波長の問題があります。人間は話をしなくても、お互いの波長が合っているか、違っているのかを見きわめる感覚をもっています。

 

リアルな会議では、人それぞれの波長がおもてにはっきりあらわれます。いわゆる波長が合わない人が目の前にいますと、お互いにストレスがかかり、意見を述べるのを差し控える傾向が出てきます。

 

ところがオンライン会議では、その波長がマイルドになり、相互のストレスが低くなります。たとえ波長が合わない(馬が合わない)人が参加者にいてもあまり気にならないのです。

 

反対意見が出ますと、人間は本能的にそれを避けようとします。あるいは強く反応し、攻撃的な意見に走る人が出てきます。こうした感情も、オンライン会議では、画面上からは強く伝わることはありません。

 

上下関係に縛られずに意見しやすくなる

上下関係の意識が穏やかになります。リアルな会議では、上司の存在感が強く、部下にはストレスが生まれます。このストレスによって理性が抑えられ、素直に意見が出てこなくなります。上司も、部下が暗く重い空気を漂わせていたら、声をかけづらくなってしまいます。

 

オンライン会議では、上司や部下の存在感のネガティブな側面が弱くなり、一人ひとりの個性が温存されるのです。

 

建設的な意見のやり取りができるようになる

日本には毎日、山のように会議の数があるのですが、意見がなかなか出てきません。意見が言いにくい雰囲気があるのです。

 

日本人はお互いをけん制し合い、用心深く、なかなか心を開こうとしません。また、上司と対立する考えがあればなおさらです。また上司も部下に「意見を言わせない」雰囲気をつくる人もいます。日本人は対話下手であるようです。

 

ところがオンラインTV会議では様子が変わってきました。これまで全く意見を言わなかった人たちが、意見を述べるようになってきたのです。これは高校、大学のオンライン授業にも同様の傾向が出ています。

 

オンラインTV会議は話しやすいのです。場の空気に気後れすることなく、自然体で、疑問や自分の意見を述べることができるのです。

 

次ページオンライン時代が引き出す日本人の創造性

本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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