新型コロナの影響により世界中の企業が急速に進めているオンライン化。今回はその代名詞ともいえる「オンライン会議」の特徴と利点、日本企業への影響について解説します。

多くの人がオンライン会議に集中できるワケ

無数の要素が五感を刺激していた従来の会議環境

騒音、雑音、息づかい、話し方など人のわずかな動き、表情の微妙な変化、書類の質感、湿度、温度、空気の流れ、明るさといった無数の要素が気になり、集中力を妨げている可能性があります。

 

オンライン会議では、理性の邪魔をするこれらの要素が捨象されます。骨格となる重要な要素にのみ集中できるのです。

 

私たちの情報処理が視覚で処理することと関係しているようです。

 

私たちの情報能力は「視覚が83%、聴覚が11%、臭覚3・5%、触覚1・5%、味覚1・0%」(出典:「五感による知覚の割合」産業教育機器システム便覧 教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)で視覚が最も活発に働いています。

 

他の調査でも視覚87%(出典:「屋内照明のガイド」照明学会(著)電気書院 1980)となっており、私たちの思考は目に入る情報に最も左右されます。

 

したがって、人に会って話をしなければ、ものごとは進まないと感じるのです。

 

これから研究が進んでいくと思われますが、実際の会議に映る人の姿は3次元で、人以外にも私たちの目の前にはさまざまなものが映ります。

 

参加者全員が1点に集中できるオンライン会議

これに対して、オンラインTV会議は2次元の世界ですから、視覚の処理する情報量が少ないため、処理しやすいのかもしれません。

 

オンラインTV会議の画面にあらわれるのは、人の顔と画面に表示される2次元の参考資料だけです。エクセル、ワード、パワーポイントでつくられた資料を表示しながら、同じ資料を画面という同じ手段で、議論することで、参加者全員の集中力が高まる効果を生み出しています。

 

参加者は共通して、画面の1点だけを見つめ、議論が展開していきます。全員が同じ個所に視線を向けます。もし、これが実際の会議であるとすれば、人によっては、資料の別のページを見ているかもしれません。

 

ある人はある資料に目をやり、ある人は別の資料に目をやり、参加者全体の雰囲気がばらつき、集中力が途切れることがあります。

 

これに対してオンラインTV会議は、一つの共通した画面を軸に展開していきますので、全員の関心が一点に集中できます。

 

このようにオンラインTV会議で、会議の質が上がるのです。

 

次ページオンライン会議のメリット

本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録