(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大によってリモートワークが普及し、日本人の働き方は大きく変化しました。こうした変化に対応すべく、事業計画にも新たな対策方法を追加する必要があります。具体的にはどのような内容なのでしょうか。※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

新たな感染症の流行に備えた感染症対策も必須

2020年の初頭から世界中に広まった新型コロナウイルス(COVID-19)は、世界中で1億人以上の感染者と200万人以上の死者を出しました。その感染対策として都市のロックダウンや国境封鎖という戦時のような状況を作り出すとともに、従来マスクを着用する習慣の無かった欧米の人たちにマスク着用を義務付けました。

 

私たち日本人も、インフルエンザや花粉症のシーズンだけでなく年間を通してマスクを着用し、会食を控えるようになりました。コロナ収束後はまた元に戻るかもしれませんが、今後新たな感染症が発生した際には、類似の対応を迫られる可能性があり、今後の事業計画には、感染症対策が必須となってきます。

 

感染症対策には、以下のいくつかのポイントを押さえておきます。

 

(1)非接触対応を可能にしておく

 

感染症は、人から人、動物から動物へ接触または近接により伝染していくものなので、非接触で商品の提供やサービスが行えるようにしておく必要があります。対面でなくても話ができるとか、サービスを行えるようにしておくということです。百貨店でタブレットを使ったリモート販売を行ったり、料理や食品のデリバリーサービスを行ったりするのはこの例です。

 

(2)触れるものは除菌・抗菌を行う

 

新型コロナの場合は、吐く息に含まれる飛沫が主たる原因のようですが、手で触ったりしたところにウイルスが残り、後から来た人がそこに触れることで感染する可能性もあるので、アルコールなどによる除菌や抗菌処理が必要になります。お店への入店時や退店時にアルコール消毒を行うことは、すっかり定着しました。おかげで手が荒れやすくなったのですが、止むを得ません。

 

(3)換気を考えた空調・空間設計を行う

 

通勤電車で新型コロナに感染したという話はあまり聞きませんでしたが、理屈から言えば、感染した人の吐く息にウイルスが含まれますから、電車やバス、飛行機、タクシーなどの交通機関や店舗、オフィス、高齢者施設等多くの人が利用する閉鎖空間では、一定程度の時間内に喚起が行えるようにする必要があります。

 

新設する場合には当然換気を考えた空調設備を導入する必要がありますし、既設の場合でも、換気扇を設置したり、窓やドアを開けたり換気対策が必須となります。そうした設備費用も事業計画の修繕費用や設備投資計画に盛り込む必要があります。

 

(4)Web対応は必須とする

 

日本では、外国との間や遠隔地の場合を除き、サービス業は、対面が基本でしたが、今後は非対面でも対応可能なようにzoomなどのWeb会議ツールや、スマホの電話会議機能を使えるようにする等Web対応を行えるようにします。

 

従来、TV会議は大きなTV画面越しに会議室と会議室を結ぶ方式がよく使われてきましたが、一人一人の顔が判別しにくいことや、誰が話しているか掴みにくかったのですが、今後はそうしたテレビ会議も一人一人が画面に映り、相互に会話ができるようにする必要があります。

 

また、問い合わせややり取りなども、電話や郵便でなく、Web上でできるようにしましょう。

 

ポイント

感染症対策として非接触、除菌、換気、リモート対応が行えるようにする

 

 

井口 嘉則
株式会社ユニバーサル・ワイ・ネット 代表取締役
オフィス井口 代表

 

 

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

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