(※画像はイメージです/PIXTA)

基本的に美容クリニックは、患者の要望に応える形で、土日も営業しているところが多い。また一般的な病院よりは朝はゆっくり目だが、その分終わりが遅いという特徴もある。そんな美容クリニックで院長として働きながら、2歳の双子と思春期の娘の子育てをする長谷川佳子氏。限られた時間の中で、どのようにふたつの役割のバランスをとっているのか。自身のキャリア、ポリシーを通して語ってもらった。

仕事を続けながら子育てをする大変さ

「美容クリニックの院長と子育ての両立は難しいのではないか」「どうやって時間をやりくりしているのか」と聞かれることがあります。

 

時短勤務で平日は17時に退勤できるとはいえ、保育園の18時のお迎えはいつもギリギリ。そこからご飯、お風呂、翌日の保育園の準備、上の子の塾のお迎え…。息をつく間もない時間が待っています。

 

朝は主人と長女にお弁当を作り、双子たちに食事を食べさせてから出勤。

 

子どもを寝かせつつ自分も寝落ちして、夜中に残りの仕事を片付けるということも日常茶飯事です。週2回の経営会議の準備にも時間を割かなければなりません。

子どもに恵まれない長い空白期間

初めて妊娠出産を経験したのは十数年前。若干若めのママとして、右も左もわからない状態で子育てに悪戦苦闘しました。

 

夫にも私にも兄弟がいるため、子どもにも兄弟がいたほうが良いと考えて、2人目も望んだのですが、簡単にはいきませんでした。

 

当時医師として駆け出したばかりで、なかなかタイミングが掴めず、初期研修2年目に授かった命も、残念ながら流産という結果になってしまいました。

 

その後は、悲しみを忘れるかのように仕事に没頭する日々が続き、初産から10年後に双子の赤ちゃんを授かりました。その時は奇跡だと感じましたね。

スタッフ教育に子育ての経験が生きる

スタッフは社会人経験の浅い人も多く、また同性が集まるとそれなりに問題は生じます。しかも当院には医療スタッフたけでなく、バックヤードとしても複数の従事者がいます。職種が異なると考え方も働き方も変わってくるので、スタッフ全員がお互いを尊敬、尊重し、チームとしてのルールや思いやりを徹底できるようにしています。新人の医師も一定期間スペシャリティを持って学ばれた方が多いので、それぞれの考え方を踏まえて教育しています。

 

これらは家庭や子育てにも共通するものがありますね。

 

我が家の双子は男女であるためかシンクロするというよりは、二人で共謀していたずらをしたり、時にはライバルで争ったりしています。同時に二人から同じお願いをされた時にどちらを優先するかいつも悩みますが、二人の希望を同時には叶えられなくても、順番にそれぞれにしたいことをできるよう、差が生じないようにしています。

 

一方で小さなママとして双子の面倒をよく見てくれるお姉ちゃんの中学受験。こちらは、私も夫も仕事の都合をつけながら家族みんなでチームとして臨む形になりました。勉強面では正直日頃の細やかなケアが足らなかったと思う部分もありましたが、今の学校生活を見ていると良い環境の中でお友達とも楽しく過ごしているので、かけがえのない経験をしたと思っています。家族としてのチームワーク、絆も強まりました。

 

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