<検証2021年度国公立大医学部入試>志願者「隔年現象」後期廃止で前期、推薦シフト進む

<検証2021年度国公立大医学部入試>志願者「隔年現象」後期廃止で前期、推薦シフト進む
(※画像はイメージです/PIXTA)

2020年の春以降、多くの医師が自らの感染リスクと隣り合わせになりながら、新型コロナウイルス感染者の治療にあたってきた。歴史に残るパンデミックは、医学部医学科(以下、医学部)を目指す受験生たちにどのような影響を与えたのか。駿台予備学校の医学部受験専門校である市谷校舎の教務マネージャー宮辺正大氏と受験データとともに、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)元年となった2021年度の医学部入試を振り返る。第3回は、2021年度の国公立大医学部入試を総括する。

入試改革でも推進される学校推薦型選抜

受験生たちは後期募集縮小の傾向をすっかり心得え、今や国公立大の志願者の志望校決定後の懸案事項は「前期で受けるか、もしくは後期で受けるか」ではなく、「一般選抜(一般入試)でいくか、それとも学校推薦型選抜あるいは総合型選抜かと捉え方が変わっている」と宮辺氏は明かす。

 

すでに多くの国公立大医学部が導入している学校推薦型選抜とは、出身高等学校長の推薦に基づき、調査書に面接・小論文などを組み合わせて評価・判定する入試方法。受験資格は大学によって異なるが、概ね①県内に在住もしくは、県内の高校出身者で、②現役か一浪まで。③学習成績も評定平均値(5段階評価)で4.3程度は求められる。学校推薦型選抜の中に一般枠とは別に地域枠を設け、地域枠で県内の医師不足に対応する大学も多い。

 

「大学側は学校推薦型選抜の受験生の中に、上位大学に受かる学力やリーダーとしての資質をもつ生徒がいることを期待していています。そういった生徒の入学を確実視できるメリットは大きく、学校推薦型選抜の枠を増やす大学の意図は十分に汲み取れます」(宮辺氏)

 

片や受験生側にしても、「地元の公立高校トップ校であっても高校三年間で国公立大医学部に合格する学力を養うのは簡単でないことはわかっているのです。地元を離れ他都道府県にある大学を一般選抜でチャレンジするよりも、地元大学の学校推薦型選抜を上手に活用したいと考えるのは自然の成り行き」(宮辺氏)から、学習成績の優れた者は10月から12月かけて実施される学校推薦型選抜を視野に入れてくる。

 

医学部の学校推薦型選抜を拡大する流れは、政府の掲げる大学入試改革の方針とも一致する。2021年度に大学入試改革の一環として新導入された共通テストは、学力の3要素(「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」(実際には記述式問題の見送りで「表現力」は評価できなくなったが)、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価することを主眼に置く。

 

国立大学協会は2017年に「2020年度以降の国立大学の入学者選抜制度の基本方針」としてこの「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するため、「一定の学力を担保した上で、調査書等の出願書類に加えて、小論文や面接、プレゼンテーションなど多様な評価方法を活用し、学力試験以外の要素を加味した『総合型選抜』『学校推薦型選抜』などの入学者選抜の取組みを加速・拡大」を打ち出し、総合型選抜や学校推薦型選抜の占める割合を入学定員の30%まで拡大すると掲げている。

 

こういった流れも相まって学校推薦型選抜のみならず総合型選抜での募集枠の新設・増員は、国公立大だけでなく、私立大も増える傾向にある。

 

大熊 文子
フリーライター

 

 

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