<検証2021年度国公立大医学部入試>志願者「隔年現象」後期廃止で前期、推薦シフト進む

<検証2021年度国公立大医学部入試>志願者「隔年現象」後期廃止で前期、推薦シフト進む
(※画像はイメージです/PIXTA)

2020年の春以降、多くの医師が自らの感染リスクと隣り合わせになりながら、新型コロナウイルス感染者の治療にあたってきた。歴史に残るパンデミックは、医学部医学科(以下、医学部)を目指す受験生たちにどのような影響を与えたのか。駿台予備学校の医学部受験専門校である市谷校舎の教務マネージャー宮辺正大氏と受験データとともに、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)元年となった2021年度の医学部入試を振り返る。第3回は、2021年度の国公立大医学部入試を総括する。

後期募集廃止続き、22年度は17校まで減少

受験生が気にかけるのは、志願者数や募集人員だけではなく、入試科目や選抜方法の変更にも及ぶ。弘前大学は2021年度の個別試験(2次試験)を総合問題と面接にしたため、教科の学力に自信をもつ生徒たちに敬遠され、志願者数は対前年比で75%と激減している。

 

また、名古屋大学はコロナ禍対応として、21年度、22年度2年続けて、面接を書類審査に変更。歓迎した受験生は多かったと考えてよいのだろうか。志願倍率は、3.3倍から3.8倍に上昇したのだ。

 

香川大学も2021年度に後期募集を廃止。それに伴い後期で募集していた人員を、前期に20人、学校推薦型選抜に5人シフトしている。

 

愛媛大学や香川大学のように後期募集を廃止し、その募集定員を前期や学校推薦型選抜(旧・推薦入試)に振り分ける大学が近年相次ぐ。2021年度に後期募集をしたのは、51大学のうち18大学のみ。2021年度における前期と後期の募集定員比率は9対1まで拡大している。2022年度入試では富山大学の後期廃止も決まっているのだ。

 

後期は前期に比べ募集人員が少ないこともあり、共通テストで求められる得点も前期より高くなる。個別試験の内容も教科試験と面接試験が主である前期とは異なり、小論文や面接で評価する大学が多い。これらが後期試験の特徴といえる。

 

後期募集減少の陰には、個別試験を2度実施することへの負担や新年度直前まで入学する学生が確定しづらいという大学側の苦悩が見え隠れする。

 

後期試験が実施されるのは、前期試験の合格発表の後の3月中旬。試験後10日前後で合格発表があり、入学手続きの締め切りは、新年度を目の前にした3月下旬になってしまい慌ただしい。さらに、せっかく難関である後期試験の合格通知を手にしても都内にある私立大医学部大への思いは断ちがたく、首都圏に住む合格者は最終的に自宅から通える都内の私立大を選ぶケースも続出してきた。

 

特に御三家と言われる、慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学や順天堂大学の合格者などに多くみられる。そこで、確実に入学者が見込める前期もしくは、学校推薦型選抜に力を入れたいという大学側の意向が働く訳だ。

 

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