※画像はイメージです/PIXTA

人生の終わりに向けた活動を表す「終活」。何から始めてよいかわからない、始めるきっかけがないといったことから、なかなか具体的な行動に移せない人も多いようです。今回は、終活のさまざまな取り組みを難易度別(すぐできる順)に紹介していきます。

難易度3…専門家のサポートが必要な終活

・遺言書を作成する

・相続税対策をする

 

【難易度3】の終活は、遺言書の作成や相続税対策など専門家のサポートが必要と考えられるものです。

 

遺言書の作成や相続税対策は、本などを読んでひとりですることもできますが、民法や相続税法に関する知識が必要です。少しの間違いでせっかく書いた遺言書が無効になったり、相続税が思いがけず高額になったりする恐れもあります。遺言書の作成は法律の専門家である弁護士・司法書士・行政書士に、相続税対策は相続税専門の税理士に相談して進めることをおすすめします。

 

■遺言書を作成する

遺言書は、遺産を誰にどれだけ渡すかといった財産に関する事項のほか、子供の認知など身分に関する事項を定める法的な書面です。法律で定められた方法で作成しなければ無効になります。遺言書で誰に何を継がせたいか意思表示をしておけば、相続人は遺言書に従って遺産を分け合うことになります。

 

特に次のようなケースではトラブルが起こりやすいため、遺言書を作成するようおすすめします。

 

・子供のいない夫婦の場合

・相続人になる人がいない場合

・離婚歴があり前妻(前夫)の子供がいる場合

・息子の妻や孫などに遺産を継がせたい場合

・内縁の妻など親族以外の人に遺産を継がせたい場合

・特定の相続人に多額の遺産を継がせたい場合

・相続人どうしの仲が悪い場合

 

遺言書の形式には、自筆で書く自筆証書遺言と、公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。自筆証書遺言は自分だけで作成できますが、法的な要件を満たさず無効になる例もあります。紛失や改ざんの恐れもあります。一方、公正証書遺言は作成に費用がかかりますが、無効になることはほとんどありません。

 

なお、エンディングノートは遺言書の代わりにはなりません。いくら詳しく記載しても法的な効果はなく、あくまでも生前の気持ちを伝える補助的なものにすぎません。

 

遺言書は書き方によって無効になったり、円満な相続のために遺したつもりが逆に内容によって相続人同士の争いの元となったりするケースもあります。有効で、かつ争いのない遺言書を作成するために専門家のサポートが必要となるのです。

 

■相続税対策をする

相続税は高額になることもありますが、生前の対策で税額を抑えることができます。

 

相続税対策は、財産の価値を下げることなく税法上の評価額だけ下げることがポイントです。たとえば、手持ちの現金を不動産に組み替えたり、生命保険に加入したりといったことが考えられます。

 

相続税対策については、多額の財産を動かすことになる、やり方によっては対策のつもりが逆に損をすることや税務調査の対象になりかねないといった点から、専門家である税理士のサポートが必要と言われています。相続税に強い税理士のサポートを受けて進めるようにしましょう。

 

なお、遺産総額が相続税の基礎控除額以下であれば相続税は課税されず、申告する必要もありません。遺産総額が基礎控除額以下になることが明らかであれば、相続税対策の心配はしなくてもよいでしょう。ただし、基礎控除額以下になるかどうかが微妙なときは、一度税理士に相談しましょう。

 

相続税の基礎控除額は、以下のとおり法定相続人の数によって変動します。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

【相続人の数と相続税の基礎控除額】

相続人1人…基礎控除額3600万円

相続人2人…基礎控除額4200万円

相続人3人…基礎控除額4800万円

相続人4人…基礎控除額5400万円

相続人5人…基礎控除額6000万円

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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