人生100年時代、老後の資産形成は、いまや日本人の重要課題といえますが、資産形成の一手法である「投資」に悪印象を抱いている人は少なくありません。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のグローバル資産形成研究所によると、「かつては日本で美徳とされた貯蓄という行動は、過去のように日本社会を豊かにする役割を果たせなくなった」と述べています。よって、日本人は資産形成の一手段である「投資」について理解を深める必要があるのです。今回は、投資に関する新しいマインド・セット(思考様式)について解説していきます。

 

コロナ禍でソーシャル・ディスタンスという言葉が広がりましたが、金融市場から適度に距離を置くマーケット・ディスタンスを心掛けることが重要なのです。

 

長期に資産形成をしていく上での大切なことは、「他の人が豊かになると、自分も豊かになる」という輪廻(りんね)的な考え方であると思います。

 

親が子供に投資をする、企業が社員や新製品開発に投資をする、国が学校や病院や道路などに投資するなど、正しい本来の投資とは「投資→成長→豊かさ」というサイクルに従っています。

 

働くことやボランティアなどでの社会参加と同様に、皆さんのお金の社会参加は社会の成長や豊かさにとって必要不可欠なものです。「投資とは、他者の強みを応援することで社会を豊かにする社会貢献である」と捉え、バランスを意識しながら、資産形成に取り込むことが望まれます。

「投資先」を選ぶ上で忘れてはならないことは…

お金を社会参加させるべく、実際の投資先を選ぶ上で忘れてはならないのは、「世のなかを豊かにするお金の社会参加の正解は、時代によって大きく異なる」ことです。

 

たとえば、基本的なインフラが整っていない新興国では、国債を通じたインフラ整備により豊かさが増すものですが、すでにインフラが揃っている先進国では、新しいアイデアや既存の富の有効活用のモニタリングという株式投資の機能が重要になります。そして、投資の長期のリターンは、金融商品の表面的な特徴ではなく、その先で実際に行われた実投資が、どれだけ社会の豊かさを増やしたかで決まります。

 

かつては日本で美徳とされた貯蓄という行動は、過去のように日本社会を豊かにする役割を果たせません(それは、現在の銀行の預金金利によく表れているでしょう)。皆さん自身のお金の社会参加(投資)が、実際に社会の豊かさにどれぐらい貢献するかが、金融商品の選定において真に大切な視点なのです。

 

投資とは、人々と社会を豊かで幸せにするものです。それは、いくらもうけた、損をしたという、日々の口座の残高やチャートに振り回される短期的なものではありません。「人的資産を考慮し、自分の真の資産を把握する」「海外への金融投資を当たり前の状態にしておく」「お金による社会貢献により、社会と共に豊かさを得る」というマインド・セットが、皆さんの人生100年を明るいものにしていくことでしょう。

 

本記事が、皆さんが今よりも心穏やかに長期の投資を続け、より豊かで幸せな人生に近づけることに少しでも貢献できれば幸いです。
 

 

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※本記事は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のインベスコ グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」として公開されたものです。

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