医師という職業に対する安定志向の高まり、私大医学部の学費値下げ(東京女子医科大学など、現時点では数校値上がりしている大学がある)などもあり、近年、医学部人気が高まっているという。従来からの医師家庭や富裕層にサラリーマン家庭が続々参戦し、全国の82医学部入試の難易度が上昇している。では、どうすれば難関の医学部を突破できるのか。わが子の育て方、接し方から入試対策までを明らかにする。本連載は小林公夫著『わが子を医学部に入れる』(祥伝社新書)から一部を抜粋し、再編集したものです。

難関中学で出題される入試問題は公式では解けない

医学部に合格する子どもとは?

 

医学部に合格する準備は、早い段階で始めるに越したことはありません。その準備とは、単に理科系に特化した教育をして算数、理科に強い子どもにすることではありません。一歩進めて、物事を多面的に観察し、考察し、問題解決できる思考力を子どもに身につけさせ、習慣化させることです。

 

そのプロセスで、まず立ちはだかるハードルは、算数では空間図形、理科では電流、光、音、熱などの日常あまり目にすることのない分野・単元です。また、文系科目では国語の読解です。

 

学習の過程で伸び悩む子どもの特性を一言で言えば、対象から浮かぶイメージが静止画であること。いっぽう、多面的な思考ができる子どもは、動画のように鮮明で生きたイメージが浮かぶと言われており、そこに大きな差があります。

 

医学部に合格する準備は、早い段階で始めるに越したことはないという。(※写真はイメージです/PIXTA)
医学部に合格する準備は、早い段階で始めるに越したことはないという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

これは、自分が体験していないこと(理系では目に見えない図形の断面やエネルギーの流れ、文系では文章が表現する未体験の世界)を頭のなかで想像して、問題に取り組めるか否かの違いです。

 

野球やテニスの一流選手について考えてみましょう。彼らはモニタリング能力に優れているため、目に見えない自分の姿を正確に把握して、どうしたら良いパフォーマンスができるかを常に考え、細かい修正を入れながら結果を出すことができます。学習も同様なことが言えます。

 

このような思考、目に見えないものを見る想像力は、志望校合格の力になるだけでなく、その後もあらゆる場面で活きる能力であり、成長過程の早い段階でこそ育んでおきたいものです。けっして、受験前の付焼刃で身につくものではありません。小学校低学年くらいからトレーニングをしておく必要があるのですが、それはどのようなトレーニングでしょうか?

 

たとえば、算数の立体・空間図形の問題を例に取ると、開成、麻布、灘など難関中学で出題される入試問題は、塾で教える定型的な方法や公式をあてはめるだけでは解けないことが多く、その場で仮説を立て、解いていく必要が生じます。

 

そして、その解法で進まない場合は、別の方法でアプローチし、それでも解けない場合はさらに別の方法を試す、といくつもの戦略を考え実行していくのです。いわゆる「仮説的思考法」「仮説思考力」が求められるのです。

 

次ページ「仮説思考力」は社会に出てからも求められる能力
わが子を医学部に入れる

わが子を医学部に入れる

小林 公夫

祥伝社

近年、医学部志願者が急増しています。その要因として、医師という職業に対する安定志向の高まり、私大医学部の学費値下げなどがあげられます。これにより、従来からの医師家庭や富裕層にサラリーマン家庭が参戦。全国の82医学…

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