本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

新興国通貨は対円で上昇

■2月下旬以降、米長期金利の上昇で日米金利差の拡大に着目した円売り・ドル買いが活発になり、対ドルで円安が加速するなか、新興国通貨は総じて対円で上昇してきています。特にアジア通貨は年初からの円安傾向が足元でも続いています。米金利上昇に伴うドル高が進めば、コロナ禍を受けて経済が悪影響を受けている多くの新興国にとって打撃となります。新興国通貨も対ドルでは下落しているものの、アジア通貨などはその幅が小さいため、対円では上昇しています。また、今年に入って、世界的な株高でリスク選好姿勢を強めた投資家の資金が新興国通貨に向かっていることも、新興国通貨が円安傾向となっている要因と考えられます。

 

(注1)データは2020年1月1日~2021年3月12日。 (注2)2019年12月31日=100。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
主要な新興国通貨の対円レート (注1)データは2020年1月1日~2021年3月12日。
(注2)2019年12月31日=100。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成 

 

(注1)データは2020年1月1日~2021年3月12日。 (注2)2019年12月31日=100。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
主要なアセアン通貨の対円レート (注1)データは2020年1月1日~2021年3月12日。
(注2)2019年12月31日=100。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

ブラジルレアルやトルコリラは軟調

■一方、足元の米長期金利上昇を受けて、経常収支赤字などファンダメンタルズが脆弱なブラジルレアルやトルコリラなどは円高が進行しました。ブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことに加え、ボルソナロ大統領の政策への不信感などを受けて、通貨が下落しています。

新興国通貨は選別色が強まる

■新型コロナウイルスに揺れた昨年4月以降、為替市場でドル安が進んできましたが、今年に入り米長期金利の上昇が期待インフレ率の上昇を上回り、米実質金利が上昇したことで、ドル安傾向には歯止めがかかっています。主要通貨に対するドルの価値を表すドル指数をみると、年初を底に反発しています。

 

■今後もコロナワクチンの普及により世界的な景気回復が見込まれ、米長期金利が上昇するなかでも投資家のリスク選好姿勢は続くとみられます。こうしたなか、新興国通貨は、経常収支などのファンダメンタルズに加え、新型コロナの感染状況や政治情勢などにより選別色が強まると思われます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『対円で堅調となっている新興国通貨』を参照)。

 

(2021年3月16日)

 

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2021年3月11日 新たな均衡点に向かう金融市場(吉川レポート)

2021年3月11日 主要な資産の利回り比較(2021年2月)

 

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