新型コロナ感染が急拡大し、医療現場は大混乱している。医師・歯科医師専門の人生設計支援サービスを展開するディーズ・ライフ・イノベーション株式会社が全国の医師または歯科医師100人を対象に「コロナ禍でドクターが抱える悩み」について緊急アンケートを行った。新型コロナ感染拡大にともない、患者が医療機関への受診を控えているといわれていたが、実際は「あまり変わらない」45.0%、「増えた」16.0%、「減ったが戻っている」6.0%と受診控えは報道されているほどでもないようだ。医療現場の医師は何に悩んでいるのか、ジャーナリストの伊波達也氏が解説する。

新型コロナはいつまで続くか分からない不安

新型コロナの終息時期は「わからない」が33%。

「来年の東京五輪までには」という回答は11%。

 

先日、コロナ患者を大量に受け入れている都内の病院を取材で訪れた。コロナへの対応は、マニュアルが蓄積され、徐々に慣れてきており、トラブルシューティングにも対処できるノウハウができつつあるという。

 

しかし、今、一番の問題は、いつまで続くかわからない現在の状況に、肉体的な疲弊はもとより、精神的な疲弊がかなり強いという。

 

 

 

部長の医師は、「とにかくがんばろう!」という言葉をかけるしかなく、スタッフをあれこれと励ますのもはばかられる雰囲気だと話していた。おそらく、通常の診療活動では考えられない余分な仕事量と精神的なストレスが途絶えることなくずっと続いていることだろう。

 

終息についてわからないと答えている医師が33%だが、2年以上が18.0%、3〜5年24.0%、5年以上が7.0%と、この先2年は続くと考えているドクターが半数近くいるのだ。

 

医療現場の過酷さについては、今回のコロナ渦以前から、現場の声として漏れ聞こえていた。

 

しかし、それを解決するような方策が取られているかは、はなはだ疑問だ。

 

マスコミも特定の医師や現場ばかりを取り上げ、真の医療現場の情報を充分に伝えているとは言い難い。自戒も込めて、ジャーナリズムは、もっとつぶさに医療現場の現状を伝えるべきなのではないだろうか。

 

先述したコロナ患者を受け入れる大病院の部長は、今後ますます、地方の病院、地域医療の状況が心配だと話していた。

 

政府も、コロナについては「俯瞰的、総合的」などと寝ぼけたことを言っている場合ではない。鳥の目ではなく虫の目で、現在の医療現場の現状つぶさに見て対策を講じてほしい。

 

伊波達也

編集者・ライター

 

 

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