本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

資産買い入れガイダンスを強化

■米連邦準備制度理事会(FRB)は12月15日、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジ(0.00~0.25%)の据え置きと、国債買い入れなどの量的緩和政策の維持を決めました。

 

■FRBは量的緩和の規模拡充を見送りましたが、資産買い入れに関するフォワードガイダンスを強化しました。資産買い入れの期間について、従来は「今後数ヵ月にわたって」としていましたが、今回「雇⽤の最大化と物価安定に向けて⼀段と顕著な進展があるまで」とし、量的緩和の維持に対して強い意志を表明しました。

 

(注1)FFレート、10年国債利回りは2007年1月5日~2020年12月16日。2008年12月以降のFFレートは誘導レンジの上限を表示。 (注2)物価上昇率は個人消費支出(PCE)コア物価指数の前年同月比で、2007年1月~2020年10月。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
政策金利、長期金利と物価上昇率 (注1)FFレート、10年国債利回りは2007年1月5日~2020年12月16日。2008年12月以降のFFレートは誘導レンジの上限を表示。
(注2)物価上昇率は個人消費支出(PCE)コア物価指数の前年同月比で、2007年1月~2020年10月。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

経済見通しは概ね上方修正

■FOMC参加者の経済・金利見通しでは、GDP、雇用、物価上昇率ともに前回(9月)見通しから概ね上方修正されました。足元、新型コロナの感染再拡大が懸念されていますが、成長率見通しが上方修正され、それに伴い失業率見通しも改善方向に修正されました。物価上昇率見通しも上方修正されましたが、若干の修正に留まり、2023年見通しは2.0%で据え置かれました。

 

■一方、FOMC参加者による政策金利見通し(ドットチャート)では、前回とほぼ変わらず、23年末までほとんどの参加者がゼロ金利維持としました。

 

(注1)開催月は、FOMCで経済見通しを公表した月。 (注2)FOMC参加者による予測の中央値。実質GDP成長率とコア物価上昇率10-12月期の前年同期比。コア物価上昇率は個人消費支出(PCE)コア物価指数。失業率は各年10-12月期の平均値。FFレートは各年末時点における誘導レンジの中央値。 (出所)FRBの資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
FOMC参加者の経済見通し (注1)開催月は、FOMCで経済見通しを公表した月。
(注2)FOMC参加者による予測の中央値。実質GDP成長率とコア物価上昇率10-12月期の前年同期比。コア物価上昇率は個人消費支出(PCE)コア物価指数。失業率は各年10-12月期の平均値。FFレートは各年末時点における誘導レンジの中央値。
(出所)FRBの資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

量的緩和維持の姿勢は相場をサポート

■16日の米国株式市場は小幅ながらまちまちの動きとなりました。ダウ工業株30種平均は前日比45ドル安の30,155ドルで引けましたが、S&P500種株価指数とナスダック総合指数は若干上昇しました。

 

■今回強化された資産買い入れに関するフォワードガイダンスは、11月会合で示唆されたものでしたが、FRBが量的緩和を当面維持する姿勢を示したことは、米国景気及び金融市場のサポート要因になると考えます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FRBは量的緩和ガイダンス強化で景気をサポート』を参照)。

 

(2020年12月17日)

 

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