本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●前回大統領の出身政党と翌年のダウ平均のアノマリーを確認したが、今回はより短期で検証する。

●過去31回の大統領選挙で、選挙年の10月末から年末まで、ダウ平均の上昇確率は71%だった。

●翌年3月までの上昇確率は63%、ただ11月の大幅上昇の影響が大きく、そのペースは持続困難。

前回大統領の出身政党と翌年のダウ平均のアノマリーを確認したが、今回はより短期で検証する

2020年8月13日付レポート『米大統領選挙と株式市場のアノマリー』(関連記事参照)では、選挙によって株式市場はどのように動く傾向があるのか、過去のデータを用いて検証しました。直近30回の選挙結果とダウ工業株30種平均の動きを調べたところ、大統領の出身政党が変わればダウ平均の騰落方向も選挙年と翌年で変わり、出身政党が変わらなければダウ平均の騰落方向も変わらない傾向が確認されました。

 

このアノマリーを今回にあてはめると、バイデン氏が次期大統領に就任し、ダウ平均が2020年を上昇で終えた場合、大統領の出身政党が共和党から民主党に変わるため、ダウ平均の騰落方向も変わり、2021年は下落する可能性が高いということになります。ただ、現時点でダウ平均は大幅高となっており、年明けもこのペースが続くのか関心が高まっているため、今回のレポートでは、もう少し短期的な視点でアノマリーを検証します。

過去31回の大統領選挙で、選挙年の10月末から年末まで、ダウ平均の上昇確率は71%だった

具体的には、1986年から2016年まで31回行われた大統領選挙について、選挙年の11月から翌年3月まで、ダウ平均がどのように推移したかを確認します。ダウ平均は、各月の月間騰落率を算出し、さらに、10月末から12月末の騰落率と、10月末から翌年3月末までの騰落率を算出します。それぞれの数値について平均値を計算し、アノマリーの有無を検証します。

 

その結果をまとめたものが、図表1です。過去31回の大統領選挙において、ダウ平均は選挙が行われた11月に月間で2.0%上昇し(上昇の確率は64.5%)、12月は月間で0.9%上昇(同58.1%)、そして10月末から12月末までの期間では2.9%上昇(同71.0%)しました。従って、大統領選挙が終了した後、ダウ平均は年末まで上昇しやすい傾向があると考えられます。

翌年3月までの上昇確率は63%、ただ11月の大幅上昇の影響が大きく、そのペースは持続困難

図表2は、選挙翌年の3月までの動きを示したものです。ダウ平均は1月に月間で0.6%上昇し(確率は64.5%)、2月は月間で1.4%下落(同61.3%)、3月は月間で0.8%上昇(同54.8%)しました。そして10月末から翌年3月末までは3.0%の上昇(同61.3%)でした。ダウ平均の月間上昇率をみると、選挙年の11月から翌年3月までの間では、11月が最も大きい傾向がうかがえます。

 

ダウ平均はまた、選挙年の10月末を基準に、12月末までと翌年3月末まででは、いずれも上昇傾向が示されていますが、これは11月の月間上昇率の大きさが影響しているものと考えられます。今回も、ダウ平均は11月に11.8%上昇しましたが、過去の平均的な動きをみる限り、このような月間の上昇ペースが来年3月まで続くケースは少ないように思われます。

 

(注)1896年から2016年まで31回行われた大統領選挙における平均値。  (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表1]ダウ平均の騰落率(選挙年12月まで) (注)1896年から2016年まで31回行われた大統領選挙における平均値。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

(注)1896年から2016年まで31回行われた大統領選挙における平均値。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表2]ダウ平均の騰落率(選挙年翌年3月まで) (注)1896年から2016年まで31回行われた大統領選挙における平均値。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『株式市場の短期アノマリー~米大統領選挙後から年末・翌年3月末まで』を参照)。

 

(2020年12月2日)

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

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