本記事は、書籍『「ワケあり物件」超高値売却法』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。今回は、筆者の経験談を交えながら「不動産を手放すべき理由」について見ていきます。

不動産は売れるうちに売らないと「腐動産」になる

不動産の売却によって資産のポートフォリオを組み替えるとともに、多額の現金を手にして余生を幸せに輝かせることを、筆者は「ハッピー・リセット」と呼んでいます。もちろん「ハッピー・リタイアメント」をもじったものです。

 

先日「ハッピー・リセット」の思想に賛同してくれる一人の地主さんに出会うことができました。

 

彼はさっそく、持っている不動産のうち、老朽化した賃貸アパートを売却しようとしたのですが、思わぬところから「待った」がかかりました。売却に反対したのは、彼の奥様です。

 

奥様としては、たとえ微々たる金額であろうとも、毎月一定の収入を生んでくれる、金の卵のような賃貸アパートを手放すのは「もったいない」のです。

 

それは、しかし、視野の狭い考えです。そのアパートは、今はまだ入居者がいて、賃料収入があるかもしれません。しかし、近い将来、入居者がいなくなったときに、空室だらけのアパートを買ってくれる人がいるでしょうか。そのときになって、売りたいといっても、もはやお客様はいないのです。

 

不動産の売却を考えるのであれば「売れるうちに売る」ことが大切です。収益物件は、まだ収益が上がっているうちに売らないと、そのうちに売れなくなるときが来ます。

 

そのため、現在はまだ健全な収益を上げているけれども、将来的に行き詰まることが見えてきた頃に、早めの売却を心掛けなければなりません。これを「出口戦略」と呼びます。

 

売り時を逃して、売れなくなった不動産は「塩漬け」として、そのまま子孫に相続されていくことになります。しかし、最近はそんなものはいらないとばかりに、相続放棄をする子孫が増えているようです。あなたがせっかく守ってきた土地も、考え方の異なる子や孫には、手間のかかる面倒なお荷物でしかないのです。それくらいならば、ご自分で売却して、好きなことに使われたらいかがでしょうか。

 

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本連載は、2016年1月29日刊行の書籍『「ワケあり物件」超高値売却法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「ワケあり物件」超高値売却法

「ワケあり物件」超高値売却法

松本 俊人

幻冬舎メディアコンサルティング

「駅から遠い、築年数が古い、ごみ収集所が近くにある――そんな物件を持つオーナーは、高値売却の方法について頭を悩ませているのではないでしょうか。本書では、どんな「ワケあり物件」であっても優良物件に変える巧みな「演…

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