インドは中国に次いで世界第2位の14億人の人口を誇る。豊富な人口に加え、平均年齢が27歳と中国より10歳若く、中国経済が減速する中、インドの本格的な成長が期待されている。今後、インドは世界市場の「最後の成長のエンジン」となれるのか。日本企業は成長の果実を得ることができるのか。本連載はグルチャラン・ダス著『日本人とインド人』(プレジデント社)の抜粋原稿です。

日本人は日本人がいるところに進出する

たとえば……。

 

ASEAN(東南アジア諸国連合)の加盟国はブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10か国。合わせて人口は6億5000万人。

 

グルチャラン・ダス著『日本人とインド人』(プレジデント社)
グルチャラン・ダス著『日本人とインド人』(プレジデント社)

それなのになぜ、自動車会社以外の日本企業はタイ、ベトナム、ミャンマーへ進出するのでしょうか。

 

答えは簡単です。日本人は日本人がいるところに進出する。日本のビジネスマンには冒険心がないからです。

 

冷静にマーケットリサーチをしたら、各国がそれぞれの言葉や文化を持つ6億5000万人のマーケットよりも、多様性があるとはいえ、約13億人のインドマーケットへ進出するのが当然の帰結ではないでしょうか。

 

日本人は楽なところが好きなのです。タイのバンコクならば赴任してもいいけれど、インドのコルカタへ行くことは嫌なのです。

 

理由は「そこには日本人がいないから」、もしくは「私が好きな種類の日本人がいないから」。

 

私はそこに日本人ビジネスマンのひ弱な商人魂を見ます。

 

インドのマルワリ商人だったら、たったひとりでマーケットを開拓するのが自分のやるべきことだとわかっています。他に同種の企業が進出しているところへ行こうなんて考えるマルワリ商人はいません。

 

日本人ビジネスマンがさらに成長したいのなら、日本人のいない国へ行くことです。そこでマーケットのなかに入っていって、その国にないものを持ってきて売るのです。

 

スズキがインドの自動車市場の半分近くを占有しているのは、トヨタやフォルクスワーゲンが来ないうちにインドに進出してきたからではないでしょうか。

 

鈴木修会長は日本人ビジネスマンではなく、生粋のマルワリ商人なんでしょうね、きっと。

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インドは中国に次いで世界第2位の14億人の人口を誇る。豊富な人口に加え、平均年齢が27歳と中国より10歳若く、中国経済が減速する中、インドの本格的な成長が期待されている。今後、インドは世界市場の「最後の成長のエンジン…

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