少子高齢化による人材不足、経営環境の変化など様々な問題の影響により、会社の事業承継で頭を抱える経営者が増えています。一方、事業承継の方法として年々増加傾向にあるのが、M&Aです。本連載では、事業承継を控える経営者に向けて、M&Aの基本を紹介していきます。今回は、信頼できるM&Aコンサルティング会社の選び方について解説していきます。

M&Aコンサルティング会社は、何をしてくれるのか?

M&Aを考えたことがある方であれば、M&Aコンサルティング会社への依頼を検討した方も多いでしょう。しかし、具体的にどのような役割を担ってくれるのか、数ある会社からどのように選べばいいのかなど、詳細を知っている方は少ないものです。

 

M&Aコンサルティング会社は、M&Aに特化したアドバイスをしてくれる会社です。

 

M&Aは会社を売る、買うということですが、非常に専門知識を要する作業になります。売手会社・買手会社のそれぞれにM&Aをする目的を達成できるよう、税務、法務、会計など様々な観点から監査する必要があり、その支援をしてくれるのがM&Aコンサルティング会社なのです。

 

M&Aコンサルティング会社は、M&Aにおいて、具体的に下記のような役割を担っています。

 

●買手会社・売手会社を探す

●売手会社の価値査定

●企業概要書の作成

●買手会社・売手会社のトップ面談のセッティング・対応

● 成約するための売却価格の調整

● 買取監査の対応

●最終契約書の作成

●契約式のセッティング・対応 など。

 

なかには、M&Aのあとの組織再編の対応までしてくれる場合もあります。M&A後の組織再編は、業界ではPMI(ポスト・マージャ−・インテグレーション)と呼ばれています。PMIでは大きく「経営理念や経営戦略、ビジョンなど、経営の観点」「コスト削減やシステムの統合、人事異動など、業務の観点」「従業員の相互理解など、意識の観点」と、3つの観点で、組織再編を行います。

 

このようなM&Aコンサルティング会社は、大きく2種類に分けることができます。

 

ひとつはM&A仲介会社です。買手会社と売手会社を探し出し、それをマッチングさせることが主な仕事です。M&A仲介会社は一般的には中小企業を対象にしており、20億円前後の取引価格を一つの目安にしています。

 

もうひとつが、M&Aアドバイザリー会社です。買手会社、もしくは売手会社のどっちかのコンサルティングを行い、売手会社と買手会社のそれぞれのM&AアドバイザリーがM&Aを成約させます。

 

M&Aアドバイザリーは1社に特化しているため、M&A仲介会社の報酬より高く設定されている傾向があります。

 

最近では、WEB上でM&Aのマッチングを行うサイトが増えています。コンサルティング依頼すると、報酬が高いなどの理由より個人間でM&Aを行う人もいますが、「契約書に不備があった」「知らなかった債務が出てきた」など実際にトラブルになったケースも多くあります。

 

M&Aコンサルティング会社は、M&Aのプロフェッショナル
M&Aコンサルティング会社は、M&Aのプロフェッショナル

M&Aコンサルティング会社、選択のポイント

近年、M&Aコンサルティング会社の数が一気に増えました。そのなかで、信頼できるM&Aコンサルティング会社はどのように選んだらいいのでしょうか。見極めのポイントを見ていきましょう。

 

【見極めポイント①】成約実績

最初のポイントは成約実績です。M&Aは専門知識を要します。成約実績が多いコンサルティング会社はノウハウが豊富である一つの判断基準になります。

 

新規参入が多いなか、やはり実績がある会社に依頼した方が安心といえます。成約実績はホームページなどから確認することが難しいので、問合せした時に確認するようにしましょう。なお、その際に、自分の会社が属する業界の実績も確認してみてください。成約実績が多くても、自身の業界の実績がない場合も考えられます。

 

【見極めポイント②】担当者のレベル

何度も言いますが、M&Aは税務、財務、法務と幅広く知識が必要です。担当者のレベルによって、あなたのM&Aの成敗が決まると言っても過言ではないほど、非常に重要な役割を担っています。

 

成約実績が豊富なコンサルティング会社であっても、担当者のレベルはまちまちです。M&Aは担当者の交渉次第で結果が決まりますので、担当者の対応に少しでも不安を感じたら、すぐに担当を変更されたほうがいいでしょう。

 

なお、同じ会社内での担当変更はなかなか難しい場合もありますので、3社ほど面談し、その中から一番信頼できる担当者を選ぶようにしましょう。

 

【見極めポイント③】協業ネットワークの広さ

一般的にはM&Aコンサルティング会社は、「会計事務所」「法律事務所」「金融機関」など様々なところと協業し、買手会社、売手会社の情報を紹介してもらうようにしています。また、専門分野の相談、サポートをしてくれます。

 

つまり上記のような協業ネットワークが広いM&Aコンサルティング会社は、より良い売却・買収会社を紹介してもらえたり、高い専門性のサポートをしてもらえたりします。

 

【見極めポイント④】報酬体系

M&Aコンサルティング会社によって報酬体系が異なります。一般的には「着手金」「成功報酬」「中間金」「その他実費」などが挙げられます。

 

売却価格に連動する成功報酬の割合が最も大きく占めています。最近では、成功報酬のみのコンサルティング会社も増えてきて、全体でみた時の報酬は安くなり、メリットと言えますが、会社をただウリされたり、契約内容がずさんだったり、クオリティーがひどい会社も中には存在します。

 

報酬が安さで判断するのではなく、きちんとサービスの内容もしっかり確認し、総合判断することが大切です。

 

【見極めポイント⑤】得意とする業界

業界にこだわらず全般的に取扱いをしているコンサルティング会社もあれば、業界に特化したコンサルティング会社もあります。業界を特化している分、その業界のノウハウが最も豊富で、より良い案件を紹介してもらえる確率が高いと言えます。

 

しかし自身の業界に特化しているコンサルティング会社がない場合の可能性もありますので、その際に、その他のポイントでコンサルティング会社を選んでみるといいでしょう。

 

こうして、実際に依頼するM&Aコンサルティング会社が決まったら、大きく下記ような流れで進んでいきます。

 

 まとめ 

M&Aコンサルティング会社に依頼することによって、専門的な立場から様々なアドバイスをもらえますが、報酬は決して安くありません。きちんと自身が信頼できるM&Aコンサルティング会社を見つけて、M&Aを成功させましょう。

 

本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「M&A INFO」の記事を転載・再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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