世界的な金融緩和でMMFと先進国債券に集中

世界の「投信マネー」(2019年8月)/デイリーマーケットレポート

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 調査部
世界的な金融緩和でMMFと先進国債券に集中

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

流入超過額は3カ月連続の1,000億ドル超え

 

■8月の投信マネーは全体で+1,254億ドル(前月+1,519億ドル)と3カ月連続で1,000億ドルを超える流入超でした。「MMF」は+1,313億ドル(同+1,091億ドル)、「債券」も+470億ドル(同+553億ドル)と高水準の流入超です。一方、「株式」は▲517億ドル(同▲140億ドル)と流出超に拍車がかかりました。

 

(注)EPFRグローバル:米国に本社を置く金融商品の調査会社。2019年7月末現在35.6兆ドル規模の世界のファンドの資金フローデータを持つ。データは2017年12月~2019年8月。週次ベース。2017年12月からの累計。 (出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DS アセットマネジメント作成
投信の資金フロー (注)EPFRグローバル:米国に本社を置く金融商品の調査会社。2019年7月末現在35.6兆ドル規模の世界のファンドの資金フローデータを持つ。データは2017年12月~2019年8月。週次ベース。2017年12月からの累計。
(出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DS アセットマネジメント作成

 

 

株式ファンドは「米国」、「中国」の流出超が拡大

 

■株式ファンドは「先進国」が▲372億ドル(同▲72億ドル)と大幅な流出超となりました。中心は「北米」の▲202億ドル(同▲41億ドル)です。 「新興国」も▲145億ドル(同▲68億ドル)でした。「GEM」が▲93億ドル(同▲33億ドル)、「EMアジア」が▲49億ドル(同▲42億ドル)でした。中心は「中国」の▲29億ドル(同▲16億ドル)でした。米中が制裁関税の発表で応酬するなど、米中交渉の不透明感が再び強まったことで、「米国」、「中国」の株式ファンドからの流出超が拡大しました。

 

(注1)EPFRグローバル:米国に本社を置く金融商品の調査会社。2019年7月末現在35.6兆ドル規模の世界のファンドの資金フローデータを持つ。データは2017年12月~2019年8月。週次ベース。2017年12月からの累計。 (注2)「EMアジア(新興アジア)」は中国、インド、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、パキスタン、バングラデシュ。「GEM」はGlobal Emerging Markets(世界の新興国市場全体に投資するファンドの総称)。 (出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DS アセットマネジメント作成
債券ファンドの主要地域別資金フロー (注1)EPFRグローバル:米国に本社を置く金融商品の調査会社。2019年7月末現在35.6兆ドル規模の世界のファンドの資金フローデータを持つ。データは2017年12月~2019年8月。週次ベース。2017年12月からの累計。
(注2)「EMアジア(新興アジア)」は中国、インド、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、パキスタン、バングラデシュ。「GEM」はGlobal Emerging Markets(世界の新興国市場全体に投資するファンドの総称)。
(出所)EPFRグローバルのデータを基に三井住友DS アセットマネジメント作成

 

 

債券ファンドは引き続き「北米」が中心。金融緩和への期待から「先進国」への流入超が継続する見通し

 

■債券ファンドは、「先進国」が+515億ドル(同+465億ドル)と8カ月連続の流入超です。中心は「北米」で+347億ドル(同+300億ドル)です。一方、「新興国」は▲45億ドル(同+88億ドル)の流出超に転じました。中心は「GEM」で▲38億ドル(同+70億ドル)です。

 

■米中が貿易交渉で対立を続ける中、世界景気の先行き不透明感は高まっています。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月に続き、9、10、12月に利下げを実施する見通しで、欧州中央銀行(ECB)も9月に利下げを実施すると予想されます。世界的な金融緩和への期待から、「北米」を中心に、「先進国」の債券ファンドへの資金流入が継続する見通しです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『世界的な金融緩和でMMFと先進国債券に集中』を参照)。

 

 

(2019年9月3日)

 

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2019年9月03日 投資環境の見通し(2019年9月号)

2019年8月30日 FRBの利下げは『予防的』で済むのか?

 

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