2019年4月のマーケットの振り返り③

マンスリーマーケットレポート

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 調査部
2019年4月のマーケットの振り返り③

三井住友DSアセットマネジメント株式会社が、2019年4月のマーケットについて振り返り、「1. 概観、2. 景気動向、3.企業業績と株式、4. 金融政策、5. 債券、6. 為替、7. リート、8. まとめ」のそれぞれについて解説します。今回は、「6. 為替、7. リート、8. まとめ」を見ていきましょう。※本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するマーケットレポートを転載したものです。

6.為替

<現状>

 

円は米ドル、ユーロに対して小幅に下落しました。中旬にかけて米中などの良好な経済指標を受けてリスク志向が改善したことから円が下落しましたが、日本の大型連休や、米国の重要経済指標発表、FOMCなど重要イベントを控えて月末にかけて円が買い戻されたことから、月間では対円でそれぞれ前月比0.51%、0.54%の下落となりました。一方、対豪ドルでは、4月のRBA理事会の議事要旨で、利下げが適切となるシナリオが議論されたことが明らかになったことや、1-3月期の消費者物価の伸びが鈍化したことなどから上昇しました。対英ポンドは、前月比0.57%下落しました。

 

<見通し>

 

円の対米ドルレートは、日米実質金利差が米ドルの支援材料になると考えられる一方、FRBが年内の政策金利据え置きを示唆したことが米ドルの上値を抑制すると見られ、110円を中心とするレンジでの推移となる見通しです。

 

円の対ユーロレートは、125円を中心としたレンジ内の推移が続くと予想されますが、ドイツを中心とする製造業の弱さなど不安要因が重石となることやECBが緩和的な政策を続けると見られることから上値が抑制されると見られます。

 

円の対豪ドルレートは、RBAによる利下げ観測の高まりなどが重石となりレンジの下限に近い⽔準で推移すると見られます。ただし、米国の金利先高観後退により、米豪間の金利差は大きく変化していないことから更なる下落リスクは限定的と見られます。中国の景気回復に伴い、豪ドルもレンジ内で緩やかな持ち直しが期待されます。

 

また、交渉が継続している米中通商協議は、その進捗が経済や金融市場に大きく影響するため、注視が必要です。

 

各通貨の対円レート

 (注)データは2017年4月1日~2019年4月30日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

(注)データは2017年4月1日~2019年4月30日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

7.リート

<現状>

 

4月のグローバルリート市場(米ドルベース)は、米欧などの予想を上回る経済指標を受けて景気後退懸念が和らぎ、長期金利が上昇したことや、年初からリート市場の高値推移が続いていたことなどから下落し、前月比▲0.56%となりました。一方、円ベースの月間変化率は、為替効果がプラスに寄与したため同+0.06%と、わずかなプラスとなりました。

 

<見通し>

 

米国の不動産市況はピークアウトし、賃料は鈍化の方向にありますが、低金利環境が継続すると見られることは、リート市場の下支えになると思われます。相対的に高い配当利回りが魅力のリートは、引き続き選好されると見られ、リートは底堅い展開が予想されます。

 

代表的グローバルリート指数の推移

(注1)データは2017年4月1日~2019年4月30日。 (注2)日本円ベースは2005年1月1日の米ドルベースを基準に指数化。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注1)データは2017年4月1日~2019年4月30日。
(注2)日本円ベースは2005年1月1日の米ドルベースを基準に指数化。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

8.まとめ

<株式>

 

S&P500種指数採用企業のEPSは19年が前年比+3.0%、20年が同+12.1%です(19年4月30日発表、リフィニティブI/B/E/Sベース)。一方、日本の予想経常利益増益率は19年度(20年3月期決算)が前年度比+6.7%、20年度(21年3月期決算)は同+2.7%です(東証一部除く金融、QUICKコンセンサスベース、19年4月30日現在)。米国の予想EPSは前月比伸び率は鈍化したものの、1月を底に上昇に転じてきており、引き続き収益環境が改善するかが注目されます。一方、日本の予想EPSの改善は米国より後ズレしていますが、世界経済の回復期待からようやく底打ちの兆しが見え始めました。ただし、米中通商協議は引き続き注視が必要です。

 

<債券>

 

米欧の金利は、景気の持ち直しとともに、金利⽔準がやや上昇すると見込まれます。但し、インフレが抑制されることや、FRBやECBなどが慎重な政策スタンスを維持していくと見られることから、上昇余地は限定的なものになると予想されます。日本では、物価(コア)上昇率は0%近辺まで鈍化すると見られ、日銀の追加緩和期待がくすぶりやすくなると予想されます。日銀は、「少なくとも2020年春頃まで」現在の長短金利⽔準を維持するとのフォワードガイダンスを示しており、当面、長期金利は低位での推移となる見込みです。また、米中通商協議は注視が必要です。

 

<為替>

 

円の対米ドルレートは、日米実質金利差が米ドルの支援材料になると考えられる一方、FRBが年内の政策金利据え置きを示唆したことが米ドルの上値を抑制すると見られ、110円を中心とするレンジでの推移となる見通しです。

 

円の対ユーロレートは、125円を中心としたレンジ内の推移が続くと予想されますが、ドイツを中心とする製造業の弱さなど不安要因が重石となることやECBが緩和的な政策を続けると見られることから上値が抑制されると見られます。

 

円の対豪ドルレートは、RBAによる利下げ観測の高まりなどが重石となりレンジの下限に近い⽔準で推移すると見られます。ただし、米国の金利先高観後退により、米豪間の金利差は大きく変化していないことから更なる下落リスクは限定的と見られます。中国の景気回復に伴い、豪ドルもレンジ内で緩やかな持ち直しが期待されます。

 

また、米中通商協議は引き続き注視が必要です。

 

<リート>

 

米国の不動産市況はピークアウトし、賃料は鈍化の方向にありますが、低金利環境が継続すると見られることは、リート市場の下支えになると思われます。相対的に高い配当利回りが魅力のリートは、引き続き選好されると見られ、リートは底堅い展開が予想されます。

 

 

(2019年5月9日)

 

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