命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。本記事では、保険ショップを経営する筆者が、信頼できる保険ショップを見つけるポイントを解説します。

既婚者は「夫婦で一緒に」保険ショップへ行こう

2000年頃、世の中に保険ショップが登場して以来、経営会社の数もショップの数も増えました。自宅の最寄り駅や職場の近くばかりではなく、普段利用しているスーパーやショッピングモールといった商業施設の中にも保険ショップが進出していますから、普段から目にしている人も多いでしょう。

 

しかし、いざ相談に行くとなると、どこのショップに行けばいいのか迷っている人も多いのではないでしょうか。

 

基本的には、行きやすい場所にあるショップに足を運んでみてください。

 

仕事帰りに寄りたいのであれば会社の側にあるショップが便利ですし、スーパーやショッピングモールの中にあるショップなら買い物帰りに気軽に立ち寄れます。

 

特に独身の場合は、自分が通いやすい場所にあるショップを優先してかまわないでしょう。

 

ただ、既婚者の場合はもう一つ条件が加わります。保険の相談には、可能な限りご夫婦で来てほしいからです。

 

商業施設の中にある保険ショップで多いのは、奥様が一人で買い物ついでにいらっしゃるというパターンです。

 

きっかけは奥様からのご相談かもしれませんが、次回は必ずご夫婦揃って来店してくださいとお願いしています。

 

それは奥様とだけ話をして、奥様が家に帰ってご家族に伝えたとしても、やはり伝言ゲームのようになってどこかで思い違いや言い足りないところが出てきますし、こちらの意図した通りに話が伝わるとは限らないからです。

 

保険に関しては、やはりご夫婦が共通の認識を持っていないと十分なプランが作れません。ご夫婦で一緒に考えたほうがよいのが大前提ですので、ご夫婦での来店をお願いしています。

 

商業施設の中のショップなら、ご主人の仕事の休みの日を利用してご夫婦で来店できますし、最寄り駅の近くのお店を選べば、仕事帰りに奥様と合流して来店することも可能でしょう。

 

既婚者の方の場合、ご夫婦で来店しやすい店舗という条件を加えてください。

プランナーの身だしなみなども、必ずチェック

ショップ選びで次に着目したいのは、保険ショップの熱意が感じられるかどうかです。

 

まず、そのショップの外観を見てください。特に路面店なら、店の前はきれいに清掃されているか、表のガラス戸は汚れていないかをチェックします。

 

また、よく店先にポスターやイーゼル(立て看板)などが出してあり、情報提供などを行っている場合がありますが、その張り紙がいつも同じものが貼ってあるようなショップでは、仕事に対してあまりやる気が感じられません。

 

特に、これといった情報もなく「お気軽にご相談ください」としか書かれていない張り紙を見かけますが、これはまったく意味がありません。

 

店頭の看板はお客様に対して「当店で相談していただければ、これだけのメリットを提供します」と伝えるために出してある宣伝ツールです。それなのに「お気軽にご相談ください」では、なんのメリットも提示できていません。

 

やる気のある店舗は、必ずお客様の興味を引くような情報を掲示し、「ちょっと寄ってみようかな」と思わせてくれます。

 

例えば、「介護にかかる費用はどれぐらいかかるかご存じですか」という張り紙が貼られていたらどうでしょう。親の介護をしている人、これから自分たちの老後が気になっている人、そういったお客様にとってちょっと気になる情報として目に飛び込んできます。すると、「気になるから、ちょっと聞いてみよう」という気になるのです。

 

同じように「本日の為替レート」を張り出すショップもあります。前にも少し触れましたが、私たちが扱う保険商品の中にはドル建ての保険というものもありますから、為替レートの掲示も立派な情報提供の一つです。

 

ただ、張り紙の内容がいつも同じで、紙が変色していたり、はがれかかっていたりするようでは失格です。それでは、ショップが「ノーメイク」な状態です。皆さんも「ノーメイク」ではなかなか外を歩きませんよね。

 

その他にも棚に並んだパンフレットが雑然として整理整頓されていなかったり、なくなっているのに補充されていなかったり、店内のインテリアに時期外れのものが置いてあったりなど、隅々まで気配りが行き届いていないショップは、そのショップの仕事に対する熱意、マインドのようなものが感じられません。

 

刻々と変わっていく世の中の動向に、常にアンテナを張り巡らし、お客様に有意義な情報を提供する、そんな熱意を持った保険ショップならば、常に情報更新は怠らないはずですし、お客様をお迎えするおもてなしのマインドが店内のあちこちに感じられるはずです。

 

そのような保険ショップなら、所属するプランナーの実力や熱意にも期待が持てます。絶対とは言えませんが、かなり高い確率で信頼できるプランナーが在籍しているはずです。特に、お客様がパンフレット棚を見たり店内を見渡しているとき、すぐに「目線」が合うプランナーは熱意がある確率が非常に高いです!

 

あとはプランナーの身だしなみもチェックします。朝一番なのによれよれでヒザの出ているようなズボンをはいているプランナーは失格です。

 

別に高級な服を着ている人を選べと言っているわけではありません。高いものではなくてもきちんとアイロンのかかっているスーツを着ているか、髪の毛は手入れされているか、靴はきちんと磨かれているか、そういった身だしなみにも、仕事に対する意識は必ず表れます。

 

例えば、どんなにカリスマ美容師と言われていても、髪の毛がボサボサでフケだらけの美容師に髪を切ってもらう気にはなりませんし、どんなにおいしいレストランでも店内やトイレが不衛生な店で食事をする気にはなりません。

 

保険ショップに限らず、どのような店でも店の内外をきれいに整えて、スタッフの身だしなみに気を配り、お客様が来店したらきちんと挨拶ができるというのは、最低限守らなければならない基本的なルールです。

 

特に保険ショップは、商品が目に見えないだけに、細心の配慮が不可欠です。お客様を迎えて、大切な命とお金の話をするという心構えができていないようなショップでは、「これがベストなプランです」と提案されてもあまり信用する気になれません。

「お客様のお金を扱う」熱意が伝わるところへ

先ほど、保険ショップを選ぶときには行きやすいところを選べばよいと書きましたが、実はそこにあまりこだわりすぎることもありません。

 

行きやすさや距離にこだわるよりも、できればマインドのあるショップを選んでもらったほうが、良い結果が期待できます。

 

まず、行きやすいショップに行ってみて、もし熱意が感じられないようだったら、さっさと別のショップに行けばよいのです。

 

マインドが感じられないショップはプランナーの質も期待できないということもありますが、もう一つはどこの保険ショップで加入しても、同じ保険なら保険料は同じだからです。

 

裏を返せば、どんなに店内が汚いショップであっても、どんなポンコツが担当であっても決して値引きはしません。同じ金額で保険に加入するのなら、やはりきれいで丁寧な対応のショップで相談したほうが、気持ちよくコンサルティングを受けられるでしょう。

 

お店の外観や身だしなみにはその店のスタッフの職業観が表れます。あまり言うと小姑のようですが、そういったところをしっかり見極めてショップ選びをしてみるのが「近道」です。

死亡保険金は「命の値段」

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杉山 将樹

幻冬舎メディアコンサルティング

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