今回は、経営「理念」の重要性について見ていきます。※人口の高齢化のスピードを上回る速度で増加する介護事業所。過当競争により、小規模事業所の業績悪化や倒産が急増しています。本連載では、今後ますます経営が厳しくなる介護業界において、「共感」を活用したマーケティング手法で稼働率を上げ、経営を維持する方法を紹介します。

「何のために、誰のために、何を成すのか?」

本連載ではこれまで、マーケティングに必要な基礎理論を書いてきましたが、理論だけではマーケティングはできません。マーケティングに関する理論や知識をこれでもかと詰め込む人がいますが、結局「理論」があってもうまく使い切れていない、という方が多いのではないでしょうか?

 

大事なのはどんな「想い」で事業を経営するのか。ここがあるのとないのとでは、事業の進み方がまったく異なります。さらにこの「想い」というのも独りよがりなものではいけません。介護事業でいえば、その「想い」は利用者のためになっているのか? と必ず自問自答する必要があります。

 

何のために、誰のために、何を成すのか。自分の存在は何のためにあるのか。問いを立て続けることで成すべきことが見えてきます。

 

「理念」と「理論」は両輪あってこそ。理論は「やり方」、理念は「在り方」と覚えておきましょう。

 

考え抜かれた「想い」は、やがて強い言葉になって結実します。会社ではこうした強い「想い」のことを経営理念やビジョンといいます。

 

経営理念は、会社が社会や顧客への約束や信念を示すものになります。何のために存在し、どういう目的を持って、どういう風に経営していくのかを示します。

 

下記の図表で示すとおり、理念の下位に位置するのがビジョンです。理念より具体的なものとして、将来の在り方を示すと考えれば分かりやすいでしょう。○年後にはどんな存在になり、社会にどんな価値を提供できるのかを示すのがビジョンです。

 

さらにその下位には事業戦略が位置します。

 

理念をベースにビジョンとして示した状態を実現できるよう、道筋や手段を示すもので、事業戦略に沿って実行計画へと具体化されます。

 

[図表]経営理念の位置づけ

 

このように企業が行う事業はすべて、経営理念から始まるのが理想です。経営理念に矛盾するもの、つまり、心から理念に適合すると思えない取り組みは、その企業が手掛けるべき事業ではないと判断できます。

マーケティングの実行には「想い」の共有が必要

第4回にも書いたように(関連記事『SNS時代に爆発的人気店舗を作る「マーケティング4.0」とは?』参照)、マーケティングは事業の広範な活動を指しています。ですから、マーケティングを一人でやるのは限界があります。そこで全社的にマーケティングを実行していこうと思ったら、「想い」を共有することが大切になります。

 

とはいえ、いきなり多くの人と「想い」が共有できるわけではありません。

 

しかし頑張っているうちに、近くでそれを見ていた誰かのほんの小さな協力から始まるかもしれません。

 

熱い「想い」を持って行動し続け、時にはスタッフ同士で激しくぶつかりながら、それでも「人と人とが向き合い続ける」中で、やがて大きなマーケティングの波は起こります。

 

どんなすばらしいマーケティングも、始まりは一人の想いと隣にいてくれた協力者から始まっているのです。

 

 

ストーリーで学ぶ 介護事業共感マーケティング

ストーリーで学ぶ 介護事業共感マーケティング

藤田 直

幻冬舎メディアコンサルティング

介護事業を始めれば、すぐに利用者が集まる時代は終わった――もはや「マーケティング」なしでは生き残れない。 廃業寸前の介護施設「復活ストーリー」から学べ! 高齢化が進む日本介護事業を始めれば、すぐに利用者が集…

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