今回は、ビットコイン取引量最大の通貨とは何かについて見ていきます。※本連載では、仮想通貨FXトレーダー向けサイト「3分で分かる仮想通貨」を運営するBULLヒロ氏に「仮想通貨投資」の基礎知識について解説していただく。

取引所ごとに大きく異なる「ビットコイン価格」

BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。

 

第31回以降のテーマは「仮想通貨トレードの知識」です。実際に仮想通貨を売り買いする上で必要な知識を解説していきますが、今回は「ビットコイン国別の取引量と価格の関係」についてお話しします。

 

今回から10回程度は、仮想通貨トレードをすでに行っている方であれば誰でも知っている知識を紹介します。基礎中の基礎情報ですので、もし読んでいて知らなかったことがあれば、誤った判断基準で銘柄を売り買いしてしまう可能性があるので、これから仮想通貨を始める方や、始めたばかりの方はしっかり確認してください。

 

ビットコインの価格が100万円、200万円の大台に達したときは、大手ニュースに掲載されることもあります。しかしビットコインの価格は、国内であっても取引所ごとに異なり、国別になるとさらに乖離が大きくなることもあります。これは、中央市場がなく各取引所ごとの自由市場で取引されているためです。

 

特定の国や取引所で価格が上下に乖離するときは、特定の要因で購入及び売却が牽引されている状況です。この先のトレンドを見る上で、重要な判断材料になります。

 

以下、国別の資金の流れは、BITCOIN日本語情報サイトを参考にします。

 

[図表1]過去24時間海外BTC価格グラフ(円)

(出所:Bitcoin日本語情報サイト)
出典:Bitcoin日本語情報サイト(https://jpbitcoin.com/)

 

ここでは、国別のビットコイン価格の平均値を時間ごとのグラフで見ることができます。

 

2018年12月は、価格の乖離が収束して5%程度に落ち着いています。しかし2017年には、韓国とそのほかの国の価格乖離が50%に到達したこともありました。

 

価格乖離については「その国の資金が牽引していて、実際に大きな需要が発生している」と考えることができます。ただし、その需要が短期で終わるのか長期的に続くのかは、その時のファンダメンタルをよく検証する必要があります。

ビットコイン取引量から見るグローバルマネーの動き

◆韓国で昨年発生した50%乖離の正体は?

 

先ほど紹介した韓国については、ほかの諸外国と違い、仮想通貨で得た利益に対する税金が非課税という事情がありました。これにより、ほかの国でビットコインを購入したのち、韓国に送金して現金化するという流れができました。現金化するということは売り圧力になるので価格は下がるべきなのですが、韓国では最大50%近く価格が上に乖離しました。

 

価格の上昇が断続的に続いていたことで、売却せずに保持している仮想通貨が増加。そこに資金とそれに追従する投機資金が流入したことで発生した、韓国単独牽引のバブルだと考えています。現在、韓国も仮想通貨に対して課税する方針となり、上記の状況は解消されていることから収束に至っています。

 

◆現在の国別取引量の流れは?

 

先ほどの例は一見すると、韓国のローカル需要による価格乖離のように見えますが、実は世界的な資金の流れが一国に集中したグローバルマネーの流れである、と考えたほうが実際に起きた現象と照らし合わせて合点がいきます。

 

現在はUSD、JPY、KRW、EURの順で取引されていますが、このUSDについては規制により国内で取引が出来なくなった中国マネーも流れていると見て概ね間違いないです。

 

[図表2]過去24時間通貨別出来高(BTC)

(出所:Bitcoin日本語情報サイト)
出典:Bitcoin日本語情報サイト(https://jpbitcoin.com/)

 

USDの一定量が中国であると仮定すると、ビットコイン取引量の過半数はアジアマネーであり、米国欧州はまだまだ増加余地が大きいことがわかります。

 

ビットコイン購入資金として注目されているのは世界的な証券市場のマネーです。今後、USDまたはEURの増加による価格上昇が発生すると、大きな流れをうむ可能性があるので注目です。

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