インド中銀が予想外の据え置き、通貨・株価は一段安

インドの経済・市場動向(2018年10月前半)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
インド中銀が予想外の据え置き、通貨・株価は一段安

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

インド市場の推移

(注)データは2018年10月10日基準。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2018年10月10日基準。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

インドの株式と通貨

(注1)データは2017年10月10日~2018年10月10日。 (注2)ルピー/米ドルは逆目盛。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)データは2017年10月10日~2018年10月10日。
(注2)ルピー/米ドルは逆目盛。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

予想外の政策金利据え置き

金融政策スタンスは引き締めに変更

 

■インド準備銀行(RBI)は5日、市場予想に反して、金融政策決定会合で政策金利を6.50%に据え置きました。通貨が下落を続けるなかで利上げを見送ったのは、足元のインフレ率鈍化に加え、インドの大手ノンバンクのIL&FS社のデフォルトを契機とした信用不安拡大を警戒したためとみられます。一方で、金融政策スタンスについては、中立から「調整された引き締め」へ変更しました。RBIのパテル総裁は、「調整された引き締め」について、「利下げの可能性を排除し、次回のアクションは据え置きか利上げ」と説明しました。

 

 

インドルピーは一段安

株式市場は調整局面

 

■RBIの利上げが見送られたことを受けて、インドルピーは対米ドルで一段安となり、過去最安値を更新しました。主要株価指数のSENSEXは、インドルピー安の加速に伴う資金流出懸念や原油高によるインフレ懸念に前述の信用不安が加わり、約半年ぶりの安値水準に下落しました。株式市場は8月下旬の最高値から10%を超える下げとなり、調整局面にあります。

 

 

インド準備銀行は追加利上げへ

 

■RBIは、先行きのインフレ加速を警戒して金融政策スタンスを中立から引き締めに変更したことから、信用不安に関する懸念が払拭できれば、次回以降の会合で追加利上げを行うとみられます。

 

■米国の利上げが続くなかでRBIが今回利上げを見送ったことで、当面インドルピーには対米ドルで下落圧力がかかりそうです。株式市場は、通貨安と原油高が逆風となり、当面不安定な相場展開が見込まれますが、インド経済の高成長を背景にした企業収益拡大により中期的には持ち直すことが期待されます。

 

(2018年10月11日)

 

関連マーケットレポート

2018年10月5日 アジア・マンスリー(2018年10月号)
2018年10月4日 インド株式、『信用不安』の大幅下落をどう考えるか

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友アセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友アセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧