「人生100年時代」が目の前に迫る今、老後の自由な暮らしと安心の医療・介護が両立する「サービス付高齢者向け住宅(サ高住)」への関心が高まっている。本企画では、千葉県北西部で地域に密着した高齢者住宅事業を展開する太陽ハウス(本社・松戸市)株式会社の代表取締役社長・岩橋淑行氏と同社住宅開発部の課長・福永俊介氏に、投資対象としてのサ高住の魅力や、同社が提供する物件の強みなどを伺っていく。第6回目は、安心・快適な「サ高住」の経営を続けるためのポイントである。

サ高住・標準タイプの収益シミュレーションとは?

前回までは、事業投資としてのサービス付高齢者向け住宅(サ高住)の基本戦略について紹介した。実際にどれくらいの収益が期待できるのか、太陽ハウスのサ高住を例に挙げてシミュレーションしてみよう。

 

 

下の図表は、太陽ハウスが供給する標準タイプのサ高住の収支計画表である。

 

[図表]収支計画表

 

 

建物の建設費用は約2.2億円、土地の取得費用は5,400万円。敷地造成や付帯設備の購入、開業費用、その他諸費用などを合わせた初期投資額は3億2,300万円となる。このシミュレーションでは、国から1割の補助金を受けることを想定している。補助金を引いたネットの初期投資額は2億8,900万円である。

 

一方、収入は住戸22戸の家賃が年間1,716万円(1戸当たり月6万円)、デイサービスセンターのテナント料が年間456万円(月38万円)、合わせて2,248万8,000円である。その結果、ネットの初期投資額に対する表面利回りは年7.8%(満室時)となる。すでに土地を持っているオーナーの場合は、土地取得費用がなくなるので表面利回りは年10%前後(同)まで上がる。

 

このシミュレーションでは、ネットの初期投資額のうち、自己資金として100万円を入れ、残りの2億7,500万円を銀行から借り入れることにした。年利は0.9%、月々の返済額は114万9,000円である。月々の家賃収入は住戸とデイサービスセンター合わせて187万4,000円なので、諸経費や税を払っても十分なキャッシュが残る計算となる。

 

太陽ハウスはこれまで14棟のサ高住を手掛けているので、当社の物件であれば、融資を受けやすいというメリットもあるそうだ。「民間融資のほか、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利の融資も利用可能です」と福永氏は語る。

 

オープン後も、サ高住経営を全面的にバックアップ

オーナーの意向に沿って、事業計画づくりから土地の仕入れ、建物の建設、介護事業者の選定、入居促進まで、サ高住経営のすべてのプロセスをワンストップで支援してくれるのが太陽ハウスの頼もしさである。

 

代表取締役社長の岩橋氏は、「サ高住がオープンした後も、質の高いサービスを維持するため、介護事業者にアドバイスを行い、入居者様が地域の方々と楽しんでいただけるイベントを当社が主催するなど、経営を全面的にバックアップしています。オーナー様と入居者様の双方にとってメリットのあるサ高住経営を実現していただきたいからです」と語る。

 

「入居者様に喜んでいただければ、経営は必ずうまくいきます。サ高住経営に興味をお持ちの方は、ぜひお声をお掛けください」(岩橋氏)

 

 

太陽ハウスのサービス付き高齢者向け住宅

 

取材・文/渡辺賢一 撮影(人物)/永井浩
※本インタビューは、2018年6月11日に収録したものです。