前回は、日本のPCソフトを海外で使う際の注意点について取り上げました。今回は、海外プロジェクトのドキュメントの外国語化について見ていきます。

外国語化の工数・費用・リソースは早めに確保

これはオフショア開発でも同じことですが、海外ベンダーを利用するためには、ドキュメントの外国語化の工数と費用を計画段階でしっかり予算化しておかなければいけません。

 

翻訳会社に依頼する費用ももちろんですが、社内用語などを英語化する場合には、翻訳会社では難しいこともあり、プロジェクト内でその分の工数を見ておく必要もあります。いつもお願いしている会社であれば可能な場合もありますが、この場合はリソースが限定されますので、早めの確保が必要になります。

 

そもそもITの専門用語を正確に理解している翻訳会社も限られますので、通常の翻訳でも早めのリソース確保が必要になります。

計画書には、成果物・会議で何語を使うかを明記

1回翻訳したら終わりではないということも忘れてはいけません。日本語文書が改訂されれば、外国語文書も改訂しなければなりません。

 

こういったことはプロジェクト計画書に明記しておく必要があります。外国語に関して明記しておく場合のポイントを2つ挙げます。

 

1つは成果物定義です。どの成果物が何語で書かれるのかを定義します。成果物のレビューをする人や承認者が誰かによっても、成果物の言語が変わることがあるので留意しておきます。

 

もう1つは、会議体で使用する言語です。会議に参加するメンバーによって使用する言語が変わりますので、どの言語を使うかを定義しておく必要があり、会議で使うドキュメントももちろんそれに合わせなければなりません。海外の地方にある工場などでは、現地語でしか会話できない人が大勢いるため、通訳なども必要です。

 

以上を明確にしたうえで、言語対応のための工数および費用、担当者を定義して予算化します。

 

実際にあった例としては、成果物定義では英語であったが、あとから入った承認者がポルトガル語版を要求したので、翻訳するための工数が急に発生したことがあります。このような可能性も考慮に入れておく必要があるかもしれません。

 

なおポルトガル語については、ポルトガルとブラジルで微妙に違うので、通訳や翻訳家を探すときに注意が必要です。

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