前回は、「助成金」を活用する中小企業が少ない理由を探りました。今回は、中小企業が「助成金」を活用するメリットを説明します。

「中小企業のみ」が受給できる助成金も多い

では、助成金には具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

 

●メリット1 中小企業に有利

 

まず助成金は中小企業に手厚く支給される制度です。そのため中小企業のみが受給できる助成金や、大企業より受給額が高い助成金もあります。


世間一般では、失業保険の財源は企業から徴収した「雇用保険料」と知られています。実は、連載第1回の図表で示したとおり、助成金の財源も雇用保険料なのです。国はその保険料の一部を中小企業に分厚く還元し、雇用環境の改善を通じて元気にしようとしているのです。

「大企業との公的支援格差」を解決する上でも有効

中小企業は日本企業の99%以上を占め、雇用の約7割を生み出しています。中小企業が助成金を使って成長し、利益を出せば日本経済は活性化し、税金として国に還元されていきます。このように国と企業の双方にメリットをもたらす手段として、助成金という公的支援制度があるわけです。

 

もう一つの理由は大企業との公的支援格差です。大手は経済や産業に与える影響が大きいことから、倒産した場合は一時的に国の管理下に置かれ、経営の立て直しが図られます。経営破たんした銀行への公的資金の注入も同様の理由です。

 

そんな報道を見て、大手が倒産しそうになると国家ぐるみで救済するのに、中小の経営が傾いても誰も助けてくれない──。そう不公平を感じている中小企業経営者も多いのではないでしょうか。

 

もっとも大手が倒産すると中小企業もダメージを受けますから、間接的に救済されているともいえます。しかし限られた経営資源の中で必死に事業を展開し、地域に雇用を生み出している中小企業の一社一社こそが国を支える屋台骨となっているわけですから、直接的なサポートは必須です。

 

その支援の一つがまさに「助成金」です。従って、中小企業経営者は「助成金をフルに使い倒してやろう」というくらいの気構えを持ってください。

 

なお、助成金を受給する際の「中小企業」には定義があり、次のいずれかに該当することが求められます。

 

[図表1]中小企業の定義(次の①、②のいずれかを満たす企業 )

※ただし、以下の助成金については範囲が異なる
※ただし、以下の助成金については範囲が異なる

 

[図表2]人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)(次の①、②のいずれかを満たす企業)

※自動車・航空機用のタイヤ、チューブ製造業や工業用ベルト製造業を除く
※自動車・航空機用のタイヤ、チューブ製造業や工業用ベルト製造業を除く

 

〈障害者雇用安定助成金(中小企業障害者多数雇用施設設置等コース)、
両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)〉

●業種や資本の額・出資の総額にかかわらず、常時雇用する労働者の数が300人
以下

 

この話は次回に続きます。

本連載は、2018年5月28日刊行の書籍『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい

中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい

寺田 慎也

幻冬舎メディアコンサルティング

経営者は公的支援をフル活用して業績を向上させよ! 税理士・社労士資格を有する経営コンサルタントが豊富な実例をもとにわかりやすく解説。

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