変形地の中でも「旗ざお状の土地」の活用が難しい理由

前回は、斜面地の地形を利用し、通常以上の床面積を確保する方法について見ていきました。今回は、「旗ざお状の土地」の活用において、法規上どのような問題があるのかを見ていきます。

「旗ざお状の土地」では共同住宅が建てられない!?

斜面地以外にも、一見すると土地活用を図りにくそうな土地があります。その一つが、旗ざお状の土地です。旗の部分が敷地に、さおの部分は道路との間を結ぶ通路に当たります。道路から少し奥まった場所にある土地です。

 

道路付けの良し悪しでどの程度の大きさの建物を建てられるかが決まりますから、この旗ざお状の土地にはそう大きな建物は期待できません。しかも、このような敷地では防災上の観点から、共同住宅などの建設を禁じている自治体もあります。

 

道路付けの悪さと条例上の問題で活用は難しいが・・・

東京都を例に取りましょう。都は建築基準条例である建築安全条例の中で、「路地状敷地」と呼ぶ旗ざお状の土地に「特殊建築物」を建てることを禁じています。この「特殊建築物」には、学校、ホテル、劇場、病院などと並んで、共同住宅も位置付けられています。

 

戸建て形式の賃貸住宅もありますが、敷地規模がそれなりにある場合には共同住宅形式になろうかと思います。それを、敷地部分の広さは十分にあったとしても、「路地状敷地」に当たる旗ざお状の土地では建てることができません。

 

この規定を見ると、なるほど旗ざお状の土地は活用を図りにくそうです。道路付けが悪いのは動かしがたい事実ですし、そうした土地での建築に制限が加わるのは、防災や衛生という観点を重んじる建築法規の性格上、やむを得ないようにも思います。

 

ただ、そうした道路付けの悪い土地であろうが、敷地面積がそこそこあるなら、うまい活用を図りたいところです。さすがに戸建て形式の賃貸住宅にするには、市場性や事業性の面で難があるかもしれません。借り手が見つかるかどうか、十分な家賃収入を得ることができるかどうか、それらの面にリスクを感じる場合もあるでしょう。

 

賃貸住宅を経営しようにも、共同住宅は建設が禁じられ、戸建て形式は事業リスクが見込まれる。複数の世帯にも一つの世帯にも貸し出すことができなさそうです。

 

では、どうすればいいのでしょうか。この話は次回に続きます。

本連載は、2014年6月12日刊行の書籍『変形地の価値を高めるマンションづくり』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載建築デザインの力で「変形地」の価値を高める方法

株式会社環境建築設計 代表取締役
株式会社六耀 代表取締役 

早稲田大学理工学部建築学科卒業。「環境と人との接点を意識し心を配ること」を基本に、土地活用企画、分譲・賃貸マンションの企画・設計・施工管理、賃貸マンションの監理、建て替え、大規模修繕、コンサルティングなどを手がけ、35年間で300弱の竣工物件の実績を持つ。

著者紹介

変形地の価値を高める マンションづくり

変形地の価値を高める マンションづくり

宮坂 正寛

幻冬舎メディアコンサルティング

別荘地のような斜面地、一角に他人の土地を挟む変形地、奥まった場所にある旗竿地・・・。 活用をためらってしまうような条件の悪い土地を活用するためには、その土地の潜在価値を引き出すことが重要です。本書では、そのため…

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