近年、新しい投資の手段として大きく注目を集めている「ソーシャルレンディング」。本連載では、その基本的な仕組みや富裕層にとっての活用法を踏まえたうえで、カメルーンや東欧といった特徴的な投資対象をピックアップして紹介する。第2回目は、クラウドクレジット株式会社・執行役員の武居駿氏に、アセットアロケーション(資産配分)におけるソーシャルレンディングなどについて伺った。

資産配分のバランスを見直す「新たな一手」

ソーシャルレンディングは、株や債券といった既存の投資手法以外の「オルタナティブ投資」として分類されることが一般的です。その中身を見ると、インカムゲインを目的としたクレジット投資(融資への投資)となりますが、前回説明したように、ミドルリスク・ミドルリターンの商品設計が行いやすく、性格としては、キャピタルゲインを狙う株式投資よりも債券投資に近いといえます。

 

[PR] 12月16日(土) 無料セミナー@幻冬舎(東京)
まだ見ぬフロンティアに投資する!
富裕層のための「ソーシャルレンディング」最新投資術

 

 

現在、各社が展開しているソーシャルレンディング商品の多くが、1万円から投資可能ということもあり、また投資対象も一見、投機的に見えるものが含まれることから、小口投資向けの投機商品のように誤解されることがあります。しかし、ソーシャルレンディングは、一般的にアセットアロケーション(資産配分)の中で薄くなりがちな「ミドルリターン」の部分をカバーできる資産クラスとなります。その意味で、アセットバランスを重視すべき、資産の多い富裕層にこそ、使う価値のある投資手段であると考えています。

 

 

これまで、日本の投資運用の環境では、ミドルリスク・ミドルリターンを実現するクレジット投資のような分野の投資対象が非常に手薄な状況が続いていました。市場変動に左右されるようなハイリスク・ハイリターンの投資商品は避けたい場合、また為替リスクを取りたくないという場合には、結局、国債か高格付けの社債くらいしか一般には投資対象がありません。もちろん、ローリスク・ローリターンの選択肢としてそれらを保有しておくこと自体は問題はありません。しかし、より収益性の高いアセットアロケーションを実現したいと思う場合には、もう少し高いリターンが狙える投資対象を組み込みたいところです。

 

その隙間を埋める新たなクレジット投資、すなわちソーシャルレンディングは、資産分散を考える方にとって、新たな一手になるのではないでしょうか。

アセットアロケーションに組み込むのも容易

ソーシャルレンディングは、株式や債券のように、それ自体が値動きをするものではありません。投資スキーム、提携会社、主なリスクや過去の運用実績といった公開されている「商品情報」から投資商品を選んだ後、出口の期日まで自分で何かを行う必要はありません。また、資産自体の価格変動がないインカムゲインの収益機会ですので、資金を投下した後の運用成績の予想も容易です。そういった意味で、仕事を持っている方が取り組むのにも適していますし、すでに他の資産運用を行っている方が、アセットの一部に組み込むことも容易です。

 

クラウドクレジット株式会社 執行役員 武居俊 氏
クラウドクレジット株式会社 執行役員 武居駿 氏

 

また、ソーシャルレンディングでは、従来の間接金融、直接金融の両方において、資金流通のネットワークから外れていた対象、たとえば、銀行融資が受けられない属性の中小企業であったり、海外の途上国の事業者であったり、個人であったりといった人たちへの融資を投資対象にできます。これは、今までにない投資対象が誕生したということであり、アセットアロケーションという観点で見ると、従来は実現できなかった資産分散の効果を生み出します。

 

[PR] 12月16日(土) 無料セミナー@幻冬舎(東京)
まだ見ぬフロンティアに投資する!
富裕層のための「ソーシャルレンディング」最新投資術

 

 

長引く低金利の影響で、預金などの安全資産で大きなリターンを得ることは非常に難しい状況です。円の暴落リスクやインフレリスクにも備える、真の資産防衛のためには、「オルタナティブ投資」まで取り入れて分散効果を高めて、リスクをヘッジしながら相対的に高いリターンを狙っていきたいところです。アセットアロケーションの観点からいえば、ミドルリスク・ミドルリターンの投資対象は必ず組み入れたいものであり、多くの資金を運用する方にこそ、ソーシャルレンディングを対象の一部として活用していただきたいところです。

取材・文/椎原 芳貴 撮影/永井 浩 ※本インタビューは、2017年10月30日に収録したものです。
※ファンドの手数料等およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料は頂いておりません。なお、出資金に対して、最大2.50%(2017年11月現在)の運用手数料を運用開始時に(又は運用開始時及び2年度目以降毎年度に)いただきます。また、為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。ファンドの種類ごとに、手数料等およびリスクの内容や性質が異なります。ご投資にあたっては匿名組合契約書や契約締結前交付書面をよくお読みください。

クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業: 関東財務局長(金商)第2809号
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 加入

TOPへ