なぜ不動産経営では「わかりにくい経費」が発生するのか?

今回は、不動産経営で発生する「わかりにくい経費」について見ていきます。※本連載は、税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表の渡邊浩滋氏の著書、『大家さん税理士による大家さんのための節税の教科書』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、大家さんのための節税対策として、「グレーな経費の落とし方」について紹介します。

「経営主体=個人」という構造が原因

前回は「わかりやすい経費」について説明させていただきました。これらの経費は不動産経営との結びつきが強く、その発生原因から考えても「必要経費」とすることへの疑問は少ないものだと考えられます。

 

では、「わかりにくい経費」というものはなぜ生まれてしまうのでしょうか。それは、「経営主体=個人」という構造が原因となります。

 

個人の経営主体のことを税務の分野では「個人事業主」と呼びます。これは文字通り「個人の事業主」という意味です。「個人事業主」は、「営利を目的とする」性質と「生活し、消費する」性質を同時にもちます。

 

この「生活」にかかる部分というのは「必要経費」には該当しません。毎日の食事や被服費は営利に付随するものではないからです。この「営利」、つまり「不動産経営」にかかわる出費と「生活」にかかわる出費が混在するのが「わかりにくい経費」というものが生まれる原因となるわけです。

目的や内容の説明が必要な経費=わかりにくい経費

以下に「わかりにくい経費」となりそうなものを列挙してみましょう。

 

●パソコン代

●セミナー代

●通信費

●書籍代

●スーツ代

●接待交際費

●旅費交通費

●福利厚生費

 

いかがでしょうか。これらの出費は事業を始めていない方でもすでに支払っているものがほとんどだと思います。一言に「交通費」といってもお勤めの会社への交通費は賃貸経営の「必要経費」とはなりませんし、所有する物件への交通費は賃貸経営の「必要経費」ということもできるかもしれません。この、「目的」や「内容」の説明がなければ「必要経費」とならないようなものが「わかりにくい経費」となるのです。

 

ここからは「わかりにくい経費」についての「検証」に加え、それらを「必要経費」とするための「対策」について説明していきたいと思います。

本連載は、2017年6月21日刊行の書籍、『大家さん税理士による大家さんのための節税の教科書』から抜粋したものです。稀にその後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「国内不動産」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「節税」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載成功する賃貸経営・・・「グレー経費」をきっちり経費化する方法

税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表 税理士
司法書士
宅地建物取引士

1978年、東京都江戸川区生まれ。明治大学法学部卒業。税理士試験合格後、実家の大家業を引き継ぎ、空室対策や経営改善に取り組む。大家兼業税理士として悩める大家さんのよき相談役となるべく、不動産・相続税務専門の税理士法人に勤務。退職後、2011年12月、同事務所設立、現在に至る。司法書士の資格を活かし、不動産のスペシャリストとして税務だけでなく法律面の観点からもトータル的なアドバイスを提供。
『「税理士」不要時代』(幻冬舎)、『相続対策の常識ウソ?ホント?』『大家さん必携!ライフサイクルから考える賃貸経営の税務Q & A』(ともに清文社)、『大家さんのための超簡単!青色申告』(クリエイティブ ワークステーション)など著書多数。

渡邊浩滋総合事務所 http://www.w-sogo.jp/

著者紹介

大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書

大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書

渡邉 浩滋

ぱる出版

買うとき・持つとき・売るとき・・・大家さん!その税金、払いすぎていませんか? 本書は、99%のクライアントが大家で、自身も大家さんである不動産専門税理士が、ガッツリお金を残すための節税法を、知識ゼロからわかりやす…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧