ソロ活が支持されている若者世代にとって、“おひとりさま”は自分の時間を自由に楽しめるポジティブな印象をもつ言葉です。しかし、年齢を重ねるにつれて、親の介護や自身の老後のことなど、不安が現実味を帯びてきます。50代女性の事例をもとに、おひとりさまの「シビアな現実」とその改善策をみていきましょう。株式会社FAMOREの山原美起子CFPが解説します。
おばあちゃんになってもフラダンスを続けたい…75歳母と同居する年収200万円の“夢見がち”な52歳パート従業員「おひとりさま女性」の厳しすぎる現実に絶句【FPの助言】
厳しい現実に目をそむけたくなるが…50代女性は「改革」のタイミング
FPから一連の説明を受けた聡子さんは、絶句……。うつむいた様子で、少なからずショックを受けているようです。聡子さんにとって厳しい内容となり筆者も心苦しいですが、希望的観測で老後資金を計算しても、実際に必要な額とはかけ離れたものになってしまい、役に立ちません。
試算の結果、老後資金が不足する場合には、対策としてもっとも効果が高いのは「長く働き続けること」です。
聡子さんはいまの職場に不満がなく、できることなら働き続けたいと考えているようですので、早いうちにオーナーである知人に相談しておくといいでしょう。
正規雇用で収入アップを目指したい気持ちもあるけれどいまからでは難しそう……という場合、兼業や副業で複数の収入源を持つのも1つの手段です。いずれにしても、50代おひとりさま女性は自分の希望を明確にし、老後まで見据えた働き方改革に着手するタイミングです。
「こんなに考えないといけないことがあるとは思っていませんでした。すぐに母とオーナーに話してみます」
目を背けたくなる問題にも向き合い、1つひとつ検討・対策していくことが不安解消の第1歩です。
聡子さんの老後資金の準備計画は始まったばかり。「おばあちゃんになってもフラダンスを続けたい」という夢の実現に向けて、筆者のサポートは続きます。
山原 美起子
株式会社FAMORE
ファイナンシャル・プランナー