老後の生活を支えるには「年金」だけでは心許ないと感じる人もいるでしょう。そこで本記事では、伊藤FPオフィス代表の伊藤貴徳CFPが、年金プラスαも見込める老後に役立つ「おすすめ資格」を3つ、厳選して紹介します。
FPは、具体的にどんなことを学べる?
FPとして学ぶ分野は6つあります。覚える分野は多いですが、どれも普段の生活に役立つものばかり。具体的にどんなことを学ぶのかご紹介します。
(1)ライフプランニング
・ライフプラン表を作成するための知識
・公的年金や雇用保険、健康保険などの社会保障制度について
・住宅ローンについて
収入アップには直接結びつきませんが、ライフイベントが作成できるようになると、ライフイベントの具体的な支出額がわかり、節約意識が上がりやすいというメリットがあります。家計の節約できる箇所を可視化することで、支出を減らし、セカンドライフの家計にゆとりを持つことができるのです。
また、社会保障制度の内容は賢く活用することで年金収入を増やしたり、公的サービスを受けることで支出を減らしたりすることも可能です。日常生活の中で「知らなかった」で損してしまうことは意外にも少なくありません。そんな機会は正しい知識で減らしていきましょう。
(2)リスクと保険
自身の保険加入や見直しの際、担当者の勧められるままでなく、自分の価値観にあった損得基準で選べるようになります。これにより、必要なところに必要なだけ保障を準備し、無駄な支出を減らすことができるでしょう。
(3)金融資産運用
たとえば積立NISAの運用に必要な投資信託の知識なども身に着けることができます。リスクを適切に把握し、効率的な資産運用ができれば、大きなプラス収入を見込める可能性が高まります。
(4)不動産
(5)タックスプランニング
・税金の種類について
・簡単な税金の計算方法
(6)相続
具体的には、相続税の計算方法、相続人の範囲、遺言書の種類などについて学ぶことができます。
FP資格を取ってよかった!~Aさん(65歳/男性)の体験談~
定年退職したあと、時間ができたので、なにか新しく学べるものはないかとネットでいろいろ見てみました。そこで見つけた「FP」資格。自身のマネーリテラシーの低さから、老後のお金について漠然とした不安を持っていたので、経済の勉強のためにと、FPの勉強を始めました。これまでまったく畑違いの仕事をしていたので、聞きなれない単語が多く、難しく思えましたが、勉強を続けていくと、どれも実生活に役立つものばかりで驚いています。
たとえば現在加入している保険の内容をしっかり理解できるようになり、現在受給している年金がどういう仕組みになっているか、他人に説明できるようになりました。これまでお金のことについて学ぶ機会がなかったので、ニュースなどもわかることが増えました。
どんな試験を受けるのか?
FP試験は難易度順に1級、2級、3級となっています。まずは3級の合格を目指しましょう。
FP3級は学科試験と実技試験があり、どちらもマークシート方式です。
学科は正誤問題、実技は選択問題で、どちらも6割以上の正解で合格となります。
2024年4月からは、ペーパー試験からテストセンターでのパソコン受験となります。これまでは1月、5月、9月と試験日は年3回でしたが、今後は最短で申請日の3日後から受験をすることができるように。受験日を自由に設定できるようになることで、さらに受験者者数は増えることでしょう。
FP資格を取得するための勉強方法
FPの勉強は実生活に応用できてこそ効果を発揮します。テキストを読み込み、知識を取り入れることも大切ですが、実際に問題を解くことで生きた知識を身につける勉強方法がおすすめです。
日本FP協会のホームページで直近3〜4年分の過去問題と解答が無料でアップロードされているので、そちらを活用することをおすすめします。
■試験問題・模範解答│日本FP協会
ただし、回答には解説がないので、わからない部分はテキストを読んで理解を深めたり、市販の過去問題集にて学習しましょう。
伊藤 貴徳
伊藤FPオフィス 代表