弱者男性1500万人時代
- 著者
- トイ アンナ
- 出版社名
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- 扶桑社
- 発行年月
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- 2024年4月
「弱者男性」の75%は自分を責めている。
“真の弱者”は訴えることすらできない――。
「40代後半でカネもない
独身のおっさんに
人権なんてないんです。
そこにいるだけで
怪しくて、やばいんです」
(本書インタビューより)
1 弱者男性とは誰のことか
日本人の8人に1人は弱者男性/弱者と自認する男性は1600万人/キモくて金のないおっさん/「弱者男性」の歴史的背景/国内統計データから見る未婚男性の不幸度/諸外国との比較/日本で男に生まれたら不幸、さらに未婚はもっと不幸/諸外国でもシングル差別はある/就職氷河期が破壊した男性の結婚願望/透明化される被害経験/支援団体が定める「弱者男性」の定義
2 男性の弱さ
男性は死にやすい/男性は病院へ行くのを渋り、セルフネグレクトへ/男性は3K労働に就きやすい/男性は戦場で兵士になりやすい/男性は女性よりも殺されやすい/男性のASD・ADHD・LDのなりやすさ/男性は遺族年金で差別されやすい
3 弱者男性の声
「男たるもの」に苦しめられ、双極性障害、自己破産へ/一見エリートでも、家族起因で弱者側に追い込まれる男性/年収1000万円のハイスペでも男性が「生きづらい」理由/妻から皿を投げつけられ、涙が止まらなくなった/ごくわずかな弱者男性だけが、女性差別をする/弱さを認めてもいいと知って、救われた
4 弱者男性の分類
SPA!でのアンケートをもとに弱者男性を分類/なぜ弱者男性は自分を責めるのか/弱者性の主なカテゴリー
5 弱者男性になってしまう
弱者性を生む「家族・地域・制度」からの縁切り/コミュニケーション弱者の男性は迫害されやすい/男性は女性と比べて「加害者」になりやすく、孤立しやすい/弱者男性を救いたいと思う者がいない/社会で失敗したときに復活しづらい/SNSで生まれた「高み」の虚像が生む「弱者という実感」
6 弱者と認めてもらえない
女性・子どもという「理想的弱者」の存在/「かわいそうランキング」の最下位/収入という「目に見えすぎる上下関係」/弱さを語ることは「男らしくない」/自分でも自分を弱者と認めたくない/軽んじられる男性の被害
7 弱者から抜け出せない
ガラスの天井に阻まれる女性、ガラスの地下室に落ちる男性/日本人男性の異常な労働時間、労働条件/体を売っても貧困から抜け出せない/階級の固定化:貧困家庭が貧困弱者男性を生む/新卒一括採用で失敗したら復活できない/独身男性が「介護する息子」になる/男性には「玉の輿」のチャンスがない/頂き女子のカモにされる?/宗教も政治も弱者男性を助けてくれない
8 弱者男性とミソジニー
弱者男性=ミソジニストであるという誤解/「それもこれも女が悪い」神話/女性嫌悪集団「インセル」/女性の社会進出と弱者男性に関係はあるか/フェミニズムと弱者男性の食い合わせの悪さ/弱者男性の現状は、かつての女性の姿と重なる
9 弱者男性に救いはあるか
サバルタンは語れない(本当の弱者は訴えることができない)/今ある自助グループの限界/3つの縁のうち「行政」をつなぐ/支援の原則/「弱者です、助けてください」と言いやすい社会づくり/助けを求めるコミュニケーションの訓練/自分が執着する相手との会話/支援者の支援:バーンアウト対策/最後に、弱者男性が訴えた「本当にほしい支援」
巻末付録・推計:日本国内にいる弱者男性の数