そもそも、大規模修繕の「決定」が難しい

住人の「合意形成」が一般的なマンションより難しい

一般的なマンションは平均戸数が約60戸のなか、タワマンは戸数規模が大きく、1棟100戸以上、なかには1,000戸以上も存在する。そうなると“ひとつの街”のレベルだ。

マンションでは、大規模修繕の工事内容にもよるが、共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)に該当すると判断される場合、総会での「特別決議」、つまり組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の多数で決することになる。そのため、管理組合の合意形成が難しいとされる。

特に高層階と低層階では区分所有者の世帯収入や価値観の違いも影響する。また高層階では、雨風の影響などで外壁に損傷を受けやすいなど、層階によって抱える問題も異なる。しかし、修繕積立金の負担は、一般的に階層は関係なく、専有部分の床面積割合で決定している。

マンションは買ったら終わりではない。大規模修繕などに多額の維持費がかかるということを、肝に銘じておきたい。


日下部 理絵
マンショントレンド評論家
オフィス・日下部 代表