実家が空き家に…「困ることはない」は少数派

相続は財産のある富裕層だけの問題ではありません。人が亡くなれば必ず相続は発生し、財産らしい財産はなくても実家はある、というケースは多いでしょう。相続予定の不動産(実家)について、親と、家族ときちんと話しておかないと、相続後に空き家にしてしまうことも珍しくはありません。その場合、どのような困りごとが起きるのでしょうか。

一般社団法人あんしん解体業者認定協会が行った『空き家の放置理由に関する意識調査』によると、空き家の放置理由1位は「手続きが進められない状態だった」で33.1%。「解体費用がかかるから」(28.8%)、「更地にすると固定資産税がかかるから」(17.8%)が続きました。

手続きが進められない、とはどのような状態なのでしょうか。調査では「兄弟姉妹で空き家の権利を分割しているが、兄弟姉妹と連絡が取れず話が進まない」「土地の境界線問題が決着しておらず、手続きが進められない」といった具体的な声が聞かれました。相続した不動産をどうするか、家族の間でも方向性を決めるのに苦労があるようです。

そして「空き家を放置して困ったこと」として最も多かったのが「管理が面倒・手間」で44.9%。「行政・隣人からクレームが入った」、「空き家にもコストがかかる」と続きます。

【空き家を放置して困ったこと】

1位「管理が面倒・手間」44.9%

2位「行政・隣人がクレームが入った」20.3%

3位「空き家にもコストがかかる」18.6%

4位「家が劣化・破損した」15.3%

5位「防犯面で不安がある」12.7

ワースト1位の「管理が面倒・手間」ですが、実際にどのように面倒で、手間なのでしょうか。経験者の声を聞いてみましょう。

【空き家を放置「管理が面倒・手間」リアルな声】

・遠方なのに、定期的に風を通したり掃除したりしに行く必要がある(40代 女性)

・年に数回、草刈りしに行くのが苦痛に感じる(50代 女性)

・周りに雑草や木が伸びて、草刈りや伐採がかなり負担になってきた(60代以上 男性)

空き家になった実家、管理するのもひと苦労という場合は、空き家管理の代行サービスを利用する、というのも一手です。

調査では「実家が空き家になったが、特に困ったことはない」という人は少数派である一方で、何とかしたいけど動けずにいるケースが多いとしています。自身も相続した不動産を空き家にして困ることのないよう、親が元気なうちに話し合っておくことが重要です。

[参考資料]

株式会社エス・エム・エス『親の終活に関する意識調査』

一般社団法人あんしん解体業者認定協会『空き家の放置理由に関する意識調査』

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