(※画像はイメージです/PIXTA)

厚生労働省の調査によると、全国の医療施設の総数は約18万施設。止まらぬ人口減少のなか、赤字経営に陥っているクリニックも少なくありません。こうした熾烈な競争を生き抜いてきたクリニックには「共通点」があると、医療法人梅華会の梅岡比俊理事長はいいます。そこで今回、阪神地区で6院、都内で消化器内科のグループ医院を経営し、開業医コミュニティ「M.A.F」を主宰する梅岡氏が、「良い組織」が持つ7つの共通点を解説します。

満足度の高いクリニックの「7つ」の共通点

1.「ありがとう」が飛び交っている

「良い組織」を作りあげていくうえで、組織内部の「承認欲求を高めること」が非常に重要です。

 

お互いに「なにかをしてもらって当たり前」ではありません。「当たり前」の反対は「有難し」です。この、「有難い=滅多にない」というのが「ありがとう」の語源ですから、筆者の所属するクリニックでは仕事が終わったら「お疲れ様でした」ではなく「ありがとうございました」と言うようにしよう、と決めています。

 

離職の多くは「人間関係」に起因するとよくいわれます。その人間関係の基盤は、コミュニケーションです。

 

「ありがとう」という言葉は、人に対する感謝とともに、自分にもいい影響を与えます。感謝の気持ちは、人の心の豊かさや心身の安定などにいい影響があると考えます。「ありがとう」をはじめとするポジティブな言葉が飛び交う職場にすることで、スムーズなコミュニケーションが可能になるのです。

 

2.「5S」が揃っている

5Sとは、「S」の頭文字をもつ「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という5つのキーワードからとった言葉です。医療機関ですから、清潔にしていることで患者さんも働く医師や職員も気持ちよく過ごせます。

 

アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した「割れ窓理論」をご存知でしょうか。かつて、ニューヨークは「犯罪多発都市」といわれ、列車の窓ガラスが割れていることも日常茶飯事でした。しかし、当時の市長が窓ガラスをはめ直したところ、それとは一見関係のない「街中の落書き」が消えたというのです。

 

1つの綻びから思わぬところにまで悪い影響はどんどん連鎖しますから、「5S」で職場環境を整えることは非常に重要といえます。

 

3.仕事を「チーム」として行っている

クリニックでの業務は、診察や受付、会計、検査など、複数の人間が絡みチームで連携して行うものがほとんどです。したがって、もし医師が最高の診察を行ったとしても、最後に会計時の職員の対応がよくなかった場合、患者にとって「あまりよくない病院だった」という印象になりかねません。

 

ですから、それぞれがそれぞれの役割を尊重しあい、連携して働く意識が重要です。

 

受付時や会計時の対応について、医師は把握しきることができません。「診察するドクターがこういう人だから」などと諦めるのではなく、それぞれのポジションとしてどんな価値を提供できるかということを考えて行動していく必要があります。

 

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本記事は、「医療と生きる人々が、生の情報で繋がる」をコンセプトにシャープファイナンス株式会社が運営する医療プラットフォーム『Medical LIVES』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。