47歳夫、突然の失語症…発症から2年半。「漢字は分かる」が「ひらがなが読めなくなった」のはなぜか? 

47歳夫、突然の失語症…発症から2年半。「漢字は分かる」が「ひらがなが読めなくなった」のはなぜか? 
(※画像はイメージです/PIXTA)

ある日突然脳出血の後遺症で47歳の夫が失語症になったら、あなたはどうしますか──? 夫が失語症になったことをきっかけに、言語リハビリの専門家である言語聴覚士の資格を取得した米谷瑞恵氏が、発症から最初の2年半を夫婦がどう過ごしてきたのかをお話しします。本連載では、米谷瑞恵氏の著書『こう見えて失語症です』(主婦の友社刊)を一部抜粋してお届けします。

順番がわからないだけでなく、数の概念自体があやふやになったらしく、作業療法士のリハビリではお金を使う練習もしていた。

 

実際に使う練習もということで、病院内のコンビニで買い物もした。がま口に千円札を3枚入れて渡すと、一人で飲み物などを買ってくる。ちゃんと買い物できた、と思ったが、日に日にがま口が重くなっていく。小銭を出せないので、毎回お札を使っているのだ。

 

おお、なんかこれ、覚えがあるぞ。海外旅行でうまく小銭が出せなくて、お店であせってついお札ばかり出しちゃって、おつりがジャラジャラたまっていく、あの感じだぞ。

 

これでは練習にならない。オットと一緒にコンビニに行き、店員さんに「小銭を出すのに時間がかかりますが、よろしくお願いします」とご挨拶した。

 

しばらくすると、がま口の小銭がスルスルとなくなった。

 

「ちゃんとお金出せるようになったね」とオットに言うと、コンビニの店員さんが根気よく待ってくれるだけでなく、「それと、これですね」と手伝ってくれるという。がま口だから、口が大きく開いて中が見えやすいのだ。

 

そのがま口は、友達が旅のおみやげにくれたものだった。退院してから彼女にその話をすると、「私もお財布の中を人に見てもらうことあるから」と言われた。視覚に障害がある彼女のチョイスのおかげで、オットは自然に人に頼ることができたのだ。

 

こう見えて失語症です

こう見えて失語症です

米谷 瑞恵

主婦の友社

ある日突然脳出血の後遺症で47歳の夫が失語症になったら、あなたはどうしますか?  そもそも失語症って何? 家族はどうすればいいの? 退院後の生活はどう変わる? コミュニケ―ションはどうすればいい? 仕事に戻れるの?…

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