口コミで「スタッフの名指し投稿」が増えると、最初からファンになってもらっている状態で接客に入ることができるので、常に常連のお客様を接客しているような感覚になります。コンサルタントの成田直人氏が著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

「スタッフ名指し投稿」を推奨するワケ

■スタッフに馴染みを持って来店するためスタッフのストレスが減る

 

私は、お客様に口コミ投稿をしていただく際に、「スタッフ名指し投稿」を推奨しています。

 

スタッフ名指し投稿とは、例えば、

 

「今日担当してくれた成田さんの接客が素晴らしかったです。今まで色んな店に足を運びましたが、一番良かったのでこれからもよろしくお願いします」

 

といったような感じで担当したスタッフを名指しで賞賛してもらうクチコミです。

 

当社クライアントには、できる限り接客を担当したスタッフを名指しで書いてもらえるように、接客プロセスを設定しています。

 

具体的には、直接「私の名前書いてもらってもいいですか?」とはどのスタッフも聞きたくないので、お客様の意思で書いてもらえるように仕組みを作っています。

 

例えば、口コミ投稿をしてもらうまでの接客サービスが他社と比べて抜群に良くお客様が担当スタッフに「ありがとう」と感謝をしたくなっている状態を作ります。

 

そして、口コミ投稿してもらう際に「本日担当させていただいたのは私、佐藤でございます」とネームプレートは見にくいので念を押して名前を紹介します。

 

他にも店頭に全スタッフの自己紹介パネルがあったり、接客の冒頭に「本日担当させていただきますのは……」と軽く自己紹介をしたりします。

 

このように何箇所にも名前を覚えてもらう、想起してもらうシチュエーションを意図的に作ります。そうすることで、いざ口コミ投稿してもらう際に「担当の佐藤さんが……」とお客様は名前を書いてくれるのです。

 

そうすることで顔馴染みのお客様が増えます。というのもスタッフの名指しコメントが増えることで口コミを見たお客様に「佐藤さん素晴らしいなぁ、接客してもらいたい」と一方的に知ってもらうことができます。

 

お客様は店内に入るや否や「佐藤さんという方いらっしゃいますか」と他のスタッフに声をかけてくださり佐藤さんが接客に入ります。

 

最初からファンになってもらっている状態で接客に入ることができるので、常に常連のお客様を接客しているような感覚を得ることができます。

 

見ず知らずのお客様で、お客様自身も店内に入って様子見で売り込まれたくないから警戒心も強い状態で、そこに声かけをして接客をするというストレスから解放されるため、仕事の楽しさが倍増します。

 

お客様が入店するや否や指名をして、「あなたが言うなら」と購入に踏み切るそうです。価格で選ばれるわけではない、人で選ばれる時代なんだと痛感した出来事でした。

 

合理的に考えたらどう考えても購入しないような価格でも購入するというのが、店舗接客の強みだと思っています。

 

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※本連載は成田直人氏の著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を罰すし、再編集したものです。

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

成田 直人

日本能率協会マネジメントセンター

広告費をかけて集客をするのが、これまでの店舗ビジネスの勝ちパターンでしたが、小売・サービス・飲食など、店舗にかかわるすべての業界において、広告の費用対効果が合わなくなってきており、それにともない一人の顧客の獲得…

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