80%の口述が再現可能!〈超一流諜報員〉の「メモせず人の話を覚える」方法とは

80%の口述が再現可能!〈超一流諜報員〉の「メモせず人の話を覚える」方法とは
(※写真はイメージです/PIXTA)

極限状態の中、どんな困難なミッションも完遂する「諜報員」。その成功の秘密は、「成果が出る“型”」を頭の中に入れていることにあります。あらゆる仕事に応用できる、誰もが実践できる諜報員のテクニックを、上田篤盛氏の著書『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)より一部抜粋してお届けします。

 

「YES/NO」質問で会話を覚える

私の海外勤務の記憶を思い出してお話ししよう。私がバングラデシュに赴任したときは、任国の軍人さんから情報収集をすることがよくあった。

 

私は英語があまりうまくないので、相手に聞く核心的な質問を5、6個に絞っていた。さらにその質問は、「YES/NO」で答える質問にして、聞き込みに出かけていた。相手との会話のほとんどは、あいさつかよもやま話だった。

 

ここで神経を集中させて、相手の話を聞いたり、質問をする必要はない。相手の国や相手のことを褒めることに力を注ぐと、相手はどんどんしゃべってくる。

 

この際、よくうなずき、賛同している意思を表す。まずは良い聞き役に徹して、あまり会話に集中しないことが重要だ。そして、頃合いを見て「ところで(By the way)」と話しかけて、YES/NOの質問をする。

 

焦って二の足、三の足の質問は浴びせない。次の質問を切り出すタイミングをしっかり待つことが重要である。人、固有名詞、数値に関わる情報は重要なので、ここには全神経を集中して、「それはすごい。〇〇ドルも必要だったのですね」「△△はずいぶん遠いですが、大変でしたね」など関連質問をしたり、「〇〇ドルですか」とオウム返しをすることが重要である。

 

そして、聞き込みが終わったら、余計なことは考えず、文書にして再生する。必要なら、話の終わりにトイレを借りて、重要なことはメモした。執務室に帰ったら、その日のうちに文書を作成した。

 

これでなんとか海外でも、うまく情報収集ができたと自負している。大切なのは、事前準備と復習、そして記憶力に頼らず情報を覚える工夫だ。

 

時には、2名ペアで聞き込みに出かけることもあったが、そういうときは役割分担を決めていた。ひとりは会話に加わらず、固有名詞や数値を覚えることに集中する。そして、帰り道で、2人で会話内容を再現する、重要なことはメモに残すといったことをやっていた。この方法で80%以上は、話の内容を再現できる。

 

上田 篤盛

株式会社ラック「ナショナルセキュリティ研究所」

シニアコンサルタント

 

本連載は、上田 篤盛氏の著書『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)から一部を抜粋し、再構成したものです。

超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル 仕事で使える5つの極秘技術

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