ドライバー1人あたりの点呼時間5~10分を3分に!残業代圧縮を実現した「社長命令」とは?【運輸業のDX事例】

ドライバー1人あたりの点呼時間5~10分を3分に!残業代圧縮を実現した「社長命令」とは?【運輸業のDX事例】
(※写真はイメージです/PIXTA)

DXを「実施していて成果も出ている」日本企業は、わずか13.5%、ほとんどのDXプロジェクトが期待どおりになっていません。では、実際にDXを推進し、成功した企業はどのようなプロジェクトを実施したのか? 今回は社長命令を機に、ドライバー1人あたりの点呼時間5~10分を3分に短縮し、残業代圧縮を実現した事例を、DXコンサルタントである株式会社日淺の日淺光博代表が評価・解説します。

 

デジタル化で効率化を図ることでの「本質的な効果」

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[図表]ロボット点呼が導入された場合の業務体制ロボットに点呼情報が集約される

 

今回のロボット点呼導入では、図表のようなしくみをつくり運行管理者のサポート体制を構築しました。

 

・本人確認:AIサービスによる顔登録/顔認証

・ アルコールチェック:チェッカーを使って計測し、データを集約

・ 免許証チェック:ICカードリーダーでの読み込み

・ データの確認:ロボットが収集データと乗務員データを確認

・ 指示伝達事項:ロボットがドライバーに直接連絡

・ 鍵の受け渡し:ロボットがキーボックスを施錠/解錠

・ 点呼記録:ロボットが運行管理者にチェック内容を送信

 

デジタル化で最も効率化が見込めるのが、このような定型化された業務でしょう。定型化されない業務(人のスキルに頼る比率が高い業務)は、再現のための条件が多岐にわたるためデジタル化でかなり苦戦します。対照的に定型化された業務はパターンが少ないので覚えやすく、ロボットなどの活用が進んでいる分野です。ロボットにより業務の効率化が図れることもそうですが、本質的には次の効果があります。

 

1. ITが苦手な人でも導入しやすい

ロボットとのコミュニケーションがあるため業務を大幅に変える必要がなく、パソコンが苦手な人でも抵抗が少ない

 

2. 人がやるべきことに集中できる

作業を均質化できることで業務への安心感も高まる。定型的な業務をロボットに任せると、そのぶんの時間を有効活用できる

 

このように定型的な業務をロボットに代行してもらうだけで、会社全体の業務の効率化を図れます。法令義務がある業務にもDXの世界が広がっているため、効率化できそうな部分に、つねにアンテナを張っておくことも大切です。

 

 

日淺 光博
DXコンサルタント
株式会社日淺 代表取締役社長

 

 

難しい話はもういいんで DXがうまくいく方法だけ教えてください

難しい話はもういいんで DXがうまくいく方法だけ教えてください

日淺 光博

サンマーク出版

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