(※写真はイメージです/PIXTA)

企業の健康診断で、35歳を境に組み込まれるバリウム検査。このバリウム検査は苦手な人も多く、なかにはバリウム検査だけ当日にキャンセルにする人もいるほどです。多くの人に不評なこの検査、実は40代以降の多くの医師は「受けなくなる」と、MYメディカルクリニック横浜みなとみらいの山本康博院長はいいます。それはなぜか、みていきましょう。

「代わりに胃カメラ」という手も

胃カメラは上部消化管内視鏡検査とも呼ばれ、先端に小型のカメラがついた細い管を胃のなかに入れ、直接ビデオ映像で観察する検査方法です。

 

白黒のレントゲン写真を通して観察するバリウム検査に比べ、胃カメラはバリウム検査では判断できないような胃の表面の色の変化や細かい胃内部の凹凸まで確認できる優れた検査です。

 

ただし、スコープを挿れることに苦痛を感じる人もいます。鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡や細径の内視鏡を使用したりすることで、最近では苦痛軽減のための工夫が施されているケースも増えています。

 

「社員の健康を守るため」という会社の方針により、どうしてもなんらかの胃の検査を受けなくてはならない場合、胃カメラによる内視鏡検査を受けてバリウム検査の代わりにするという方法もあります。一般的には自分で胃カメラの検査を受けて、その結果を会社に提出することでバリウム検査の代わりとすることができます。

 

また、会社の法定検診の際、可能であればバリウム検査を胃カメラに変更するという方法もあります。ただし可能かどうかは会社の規定によりますので、必ず前もって確認しておきましょう。

 

費用に関しても、超過分が自己負担なのか、胃カメラの検査費用はすべて自己負担なのかなど、会社ごとに細かく異なりますので、検査を胃カメラに変更したいという場合は、検査を受ける前に必ず上司や担当部署に相談しましょう。

 

ちなみに、胃カメラ検査は外来での保険適用であれば5,000円程度、健康診断などの自費診療であれば1万円程度となるため、もしどうしてもバリウムが嫌だという人は、事前にバリウム検査をキャンセルのうえ、別途外来で保険適用のうえ胃カメラ検査を受けるほうが、費用面ではよさそうです。

 

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