(※写真はイメージです/PIXTA)

スピード重視で進めて1回読んだだけでは、記憶の定着率は低いですが、気にせずどんどん先に進めましょう。一度での定着率は低くても、スピードを上げて回転数を増やして覚えます。記憶力日本選手権大会6回の最多優勝者の池田義博氏が著書『世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

コツコツ暗記では試験に間に合わない!

【相談】このままでは間に合わなそうです

 

環境効果の話をしたあと、山田さんからはしばらく連絡はなかったので、勉強は順調に進んでいると思っていました。しかし、前回の相談から1か月くらい経って、また突然山田さんがやってきたのです。

 

今度は何かと尋ねたところ、今の勉強法では試験本番に間に合いそうにないことに気が付いたという悩みの相談でした。ただし、「精緻化」の考え方を取り入れて、以前と比べてとても覚えやすくなったのは実感しているとのことでした。

 

話の内容をまとめると、記憶法はいわば「戦術」ですが、それ以外の勉強の要素、例えばペース配分といった勉強における「戦略」が上手くいっていないようなのです。今のペースで勉強を進めていくと、やはりどう計算しても、本番までには間に合いそうにない感じがするということです。

 

山田さんは性格上、じっくり取り組んで納得がいってはじめて次の工程に進むタイプらしく、今までの勉強もそのように取り組んできたそうです。今回の試験勉強でも同じような感じで進めてきたところ、あるとき突然、レンガを積むように着実にコツコツと進めてきたけれど、記憶学習が遅々として進んでいないことに気付いたそうです。

 

前回の訪問から1か月経った今、試験範囲全体を考えてみると、覚えるべき量に対してまだこれだけしか進んでいないのかと呆然としたそうなのです。このペースで進んだ場合、本番にはまったく間に合いそうにないという結論に達し、どうすればいいか悩んだ挙げ句の訪問でした。

 

じっくりコツコツ物事に取り組むというのは、多くの場合、成功や達成というものを考えるととても大事な姿勢です。ところが、こと記憶が必要な勉強の場合、特に試験勉強のような範囲が決まっている勉強では、この考え方は当てはまらないのです。記憶学習の盲点や落とし穴といっていいかもしれません。

 

今回も、山田さんには見方を変えてもらう必要がありそうでした。

 

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本連載は池田義博氏の著書『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

池田 義博

日本能率協会マネジメントセンター

在宅勤務など個人単位で働く機会が増え、従来よりも個人の成果に焦点があてられ、成果物の質を決める「思考力」が要求されています。まずは頭の中の知識・情報の量を増やし、これらを有機的に結び付け、価値のあるアイデアを生…

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