大企業のような経営資源がなく、知識の集積にも苦戦しがちな中小企業が、これからの時代に生き残り、活路を見出すためには、どのような戦法が必要なのでしょうか。※本記事は『中小企業の両利きの経営』(ロギカ書房)を抜粋・大幅に再編集したものです。

STEP4:経営者自身の「ピンときた」直感を信じる

●陶磁器メーカーの事例…「これはおいしい…」海外の郷土料理用の鍋で勝負へ

 

生活食器を製造していたあるメーカーは、商品に付加価値をつけにくく、安価な輸入製品との価格競争に巻き込まれ、経営状況が厳しくなっていました。そこで経営者が目を付けたのが、海外のある郷土料理用の蒸し鍋でした。試しにその鍋で郷土料理を食べてみたところ、あまりにおいしく、「これは売れるに違いない」とピンときました。その後、直感を信じて試作を続け、度重なる失敗にもくじけることなく、新商品を世に送り出すことができました。

 

新規事業の創出に成功した経営者は、夢の実現を確信した瞬間を逃さず、直感を信じることで困難な状況を乗り越えています。新規事業の実現には多くの壁があり、そこに突き当たるたび自信が揺らぎそうになりますが、そんなときに心の支えとなるのが、「ひらめき」への信頼なのです。経営者の度胸が試されますが、そこで勇気を持って進むことが、新規事業の創出には不可欠なのです。

STEP5:壁にぶつかってもひるまない、強い姿勢をもつ

●調味料の卸問屋の事例…何度断られても、絶対の自信作を手に「販路開拓」を実現

 

ある調味料の卸問屋の経営者は、和菓子職人と組んでオリジナル菓子の商品化を進めたところ、試作品の評判がよく、自信を持って既存の販路であるスーパーにその商品を持ち込みました。ところが、味と品質へのこだわりに理解が得られず、壁にぶつかり、道が閉ざされました。しかし、商品に自信を持っていた経営者はあきらめることなく、困難を乗り越えて新たな販路の開拓に成功しました。

 

新規事業の創出に成功した経営者には、「壁があっても決してあきらめない」という、強い姿勢が共通しています。いかに素晴らしいアイデアでも、事業化に至るまでには、さまざまな壁が存在します。どれほど優れた商品であっても、途中であきらめてしまっては事業化の実現はできません。突き当たった壁を乗り越えていく必要があるのです。

常に変化する経営環境、新規事業創出に意欲を

ここまで、成功事例を参考に、新規事業の創出に成功した経営者に共通する考え方や行動を見てきました。いずれも、それほど簡単なことではないかもしれませんが、経営者の考え方や行動ひとつで実現できるものばかりです。

 

時代は思っているより早く動いており、経営環境も常に変化しています。そのような中では、常に時代に適応した事業を生み出していく必要があります。ぜひ紹介した5つのステップを参考に、新規事業の創出にチャレンジしてみてください。

 

 

小林 雅彦
みやびコンサルティングオフィス 代表
中小企業診断士

 

事業承継支援コンサルティング研究会
 

中小企業の両利きの経営〈未来を創る10の視点〉

中小企業の両利きの経営〈未来を創る10の視点〉

事業承継支援コンサルティング研究会

ロギカ書房

未来を創る10の視点――「既存事業の深掘り」「新規事業の探索」中小企業だって“両利きの経営”を実践できる! 本書は、東京都中小企業診断士協会認定「事業承継支援コンサルティング研究会」における「第2回書籍出版プロ…

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