(※写真はイメージです/PIXTA)

世界的に深刻なインフレーションが進んでいる現在。景気の後退局面で「投資」をするにあたって、頭に留めておきたい基本的な考え方をみていきましょう。

候補のひとつ…これから現物「金」の価格は上昇する?

先述の「FAANG2.0」のひとつである、貴金属や非鉄金属を取り扱う企業への投資が見直されています。

 

貴金属のなかでも特に「金」への投資は、景気後退局面でニーズが上がります。景気後退局面で「金」のニーズが上がるのは、劣化することなく、世界のどの国でも取引ができ、価値が不変であるという「金」の特徴が要因です。このことから「金」は安全資産と言われているのです。

 

景気後退局面では株価が下落するのはもちろんのこと、通貨のボラティリティが大きくなる傾向にあるためキャッシュポジションを上げたとしても資産が目減りする可能性があります。「金」であればインフレーションをしたとしても、通貨の価値が下落したとしても、一定の価値を保てるため、景気後退局面ではニーズが上がるというわけです。

 

一時的な資産の回避先として「金」のニーズが上昇するため、これから「金」の価格が上昇する可能性が高いと言えます。

「ショートポジションのETF」資金が流入しているワケ

一般的に株式投資はこれから業績があがる見込みのある企業の株式を買って、配当や売却益に期待する投資ですが、株式投資のポジションには買いとは別に売りのポジションがあります。買いのポジションはロングと呼ばれ、売りのポジションはショートと呼ばれています。

 

景気後退局面で買いのポジションの場合、企業の業績が悪化することで配当が減り、売却益も見込めないため利益を確保することができません。ある程度株価が下落することが見込まれている場合、売りのポジションであれば利益を確保することができるのです。

 

投資経験が長い投資家は、リスクヘッジのため買いのポジションと売りのポジションを一対にしています。そのときどきの経済情勢により、それぞれのポジションの割合を変えてはいますが、どちらのポジションでも投資をしているのです。

 

特にいまのような混とんとした株式市場では、株価が上がるかもしれないし、下がるかもしれないという不安があるため、どちらのポジションでも投資することがリスクヘッジには有効です。

 

実際、いまS&P500を中心としたショートポジションのETFに大量の資金が流入しています。リーマンショックのとき以来の大量の資金が流入していることから、これからの株価下落、景気後退を見込んでいる投資家が多いことがわかります。

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